連続なおぽんテレビ小説 「10年後、あなたは母になる」 一部 第4話
10年前、私は「子宮頸がんの恐れがあります」と健康診断の通知を受け取った。
売れない芸人を養っていたら、生活破綻すれすれの状況に陥り、水商売のバイトでどうにかしのいでいたときだった。
勤め先のジムのオープンまでに、トレーニング機器の状態を確かめ掃除するのは、毎日の業務だった。
大手スポーツクラブから高級スパ施設併設のこじんまりとしたスポーツジムに引き抜かれて、3年が経っていた。
いつもなら目をつぶってもこなせるルーティンワークの途中、パワーラックのベンチ台にへたりと座りこん