AIで作るショートショート#172「急患」
夜勤の医師・山田は、救急車で運ばれてきた男性患者の診察を始めた。男性は意識不明で、顔や手足には無数の傷があった。山田は事故に遭ったのだろうと推測したが、詳しい状況は分からなかった。男性の身元も不明だった。
山田は男性の傷を応急処置し、レントゲンやCTを撮影した。すると、驚くべきことが判明した。男性の体内には、釘やハサミ、ナイフなどの金属製品が無造作に刺さっていたのだ。それも一つや二つではなく、数十本も。山田は信じられない思いで、手術室に向かった。
手術は難航した。男性の体内から金属製品を取り出すと、その穴から血が噴き出した。止血に追われる山田は、汗と血でびしょ濡れになった。しかし、それでもまだ金属製品が残っていた。山田は息を切らしながら、最後の一本を抜こうとした。
その瞬間、男性が目を開けた。そして、山田に向かって笑った。
「ありがとう、先生。これで私は自由だ」
男性はそう言って、山田の手に持っていたナイフを奪い取った。そして、自分の胸に突き刺した。
山田は悲鳴を上げた。男性の胸から血が噴き出し、手術室は赤く染まった。
「これが私の望みだったんだ」
男性はそう言って、息絶えた。
山田は呆然とした。何が起こったのか分からなかった。男性は何者だったのか。なぜ自分の体に金属製品を刺していたのか。なぜ自分を殺したのか。
山田には答えが見つからなかった。
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