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ミラノ フオーリ・サローネ2019 レポート(13): Jil Sander


ジル・サンダーは、ミラノ・デザインウィークの期間中、1979年オーストラリア・メルボンヌ生まれのアーティスト、リンダ・テグ(Linda Tegg)の作品を公開した。

一面の草は、ミラノ内の空き地・荒地から採集されたものである。

苔、多肉植物、ブラックベリー、ルリハコベ、ゼラニウム、ゼニアオイ、ツタ、ヘラオオバコ、セージなどなど。

リンダが採集した植物は、ガーデン・デザイナーのマッテオ・フォスキ(Matteo Foschi)によってこのような形で植え直された。

さらにそこに、ニコラス・バーナム(Nicholas Burnham)によるNDYライトの照明が加わった。

展示が終わった後は、これらの植物の大半は元の場所に戻されるが、一部はジル・サンダーのスタジオで育てられるという。

リンダは、次のように述べる。

「これらの雑草は、並外れたものでも目を見張るものでもない。また金銭的な価値もない。 

その存在は常に私たちの意識の外にある。

それらのものが私たちの生活の中心に来てそれについて語るようになる時、何が起きているのか?」

今まで見向きもされなかった雑草と煌々と光る照明の対比。

そこには、自然を排除して作った街への抵抗が秘められており、それを気づかせる触媒としての雑草と考えられる。


その他、海や山、田舎で生活するのに適したユニセックスで丈夫な服も展示されている。

著者が訪れた時には、その雑草を眺めながら20人ほどの人がくつろいでいた。

(ちょうど草は、数段階段を下がったところに設置されているので、その階段がちょうどよい椅子代わりに)

サローネを周る人の隠れた休憩スポットのようであった。


Jil Sander

住所:Jil Sander Flagship Store/ Via Pietro Verri 6

会期:2019年4月9〜14日(10:00-18:00)

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