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1860年創業 ペルージャの老舗カフェ:サンドリ(Pasticceria Sandri dal 1860)



ペルージャの中心部である11月4日広場。

ドゥオーモや美術館が並ぶこのエリアに、1860年に創業した老舗のバール・パスティチェリア・サンドリ(Sandri)がある。


サンドリは、スイス東部のエンガディーン(Engadine)からペルージャに移住したジャコモ・シュカン(Giacomo Schucani)とカテリーナ(Caterina)夫妻によって始められた。


 

事業が軌道に乗り始めていた1878年以降、シュカン夫妻は、新たに食料品店やキャンドル、スパイス、お菓子などを扱うショップを展開していく。

19世紀末、夫妻は、ペルージャ生まれの画家アンニバレ・ブルニョッリ(Annibale Brugnoli; 1843-1915)の生徒たちに店内の装飾を依頼した。

地域の歴史を描いた美しい天井画などは、今も店内で見ることができる。

ジャコモ・シュカンが亡くなると、息子のクラウディオ(Claudio)たちの2代目に経営は受け継がれていくことになる。

ところが、1915年、第一次世界大戦の時期にクラウディオが亡くなったことによって、一族は指導者を失い、幼い子息グリエルモたちは危機に陥った。

その後、一族の親戚筋に当たる経験豊かなビジネスマン、ニコラ・ゾンダー(Nicola Zonder)がトスカーナからやって来て、シュカン社の管理人となり、3代目のグリエルモを助けつつ、経営の立て直しを図った。

彼によって、「サンドリ」(Sandri)という名でのシュカン社の新たな歴史が始まった。

これは、ゾンダー(Zonder)という苗字をイタリア語風にしたものだとされている。

1943年、第二次世界大戦期には、戦況の悪化のため、シュカン一族は一時的にスイスに戻った。

1946年、戦争が終わると、シュカン一族は、直ちにペルージャに戻り、「サンドリ」の名で経営を再開した。

1960年、3代目のグリエルモが59歳で亡くなると、その女系の家族、妻のアンナマリアや娘のカルラたちが「サンドリ」の経営の舵を取っていくことになる。

1990年代以降は、カルラがサンドリの有能な4代目として、経営手腕を振るっていった。

2010年、150周年を迎えたサンドリ。

その店構えや内装は、クラシカルで上品ながらも、地元の人や観光客の人々で常に賑わっている。

カフェメニューはこちら。


インテリアを有効に使ったお菓子のディスプレイも魅力的。

チョコレートやマカロン、パスティチーノなどなどが入ったショーケース。


ペルージャの一等地に立つ、伝統あるバールは必見である。


パスティチェリア サンドリ(Pasticceria Sandri dal 1860)

住所:Corso Vannucci 32, 06121, Perugia,  Italy

公式サイト:Sandri dal 1860


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