![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11100329/rectangle_large_type_2_4e42bf133a5bd6af00bf0bcfafaa8b20.jpeg?width=1200)
ミラノ フオーリ・サローネ2019 レポート(15):DAIKIN×nendo
ミラノの複合施設テノハ(Tenoha)にて、日本の空調・科学機器メーカDAIKINとデザインオフィスnendoによるインスタレーションが展示された。
「空気」は、生きるために不可欠な存在でありながらも、それが意識されることはあまりない。
「見ることのできない」はずの空気を「視覚化」し、「感じる」というのが、本展示「breeze of light」のコンセプト。
それは、空調機メーカーDAIKINならではの発想であり、さらにnendoの代表デザイナー佐藤ナオキ氏によって、本企画が実現したわけである。
会場は、32m×18mの大空間。
そこに約17.000本の花型の偏光板と115の照明が一面に広がる。
これらの偏光板は、一つ一つが決められた位置、高さ、向きによって一寸の狂いもなく並べられる。
偏光板は、偏光フィルター付きの証明を当てると、2枚重なった偏光フィルムを通過した場合、花型の影は本来よりも濃くなる。
この偏光フィルターを45度回転させると、影は半透明になり、さらに45度まわすと影は消える。
115の照明は、モーターによって偏光フィルターを制御できるようになっているために、自在に花型の偏光板の影を操ることができるわけである。
花型の偏光板は、花畑のように並んでおり、光と影の調整によって、花畑を抜ける「風」「空気」を体感すると感覚を再現することが、本展示の狙いである。
なお、1年前の2018年は、nendoの知名度もあり、サローネ期間中に、全体の来場者30万人のうちの1割にあたる3万人もの人がDAIKIN×nendoの会場に訪れたとのことである。
今年もその例に漏れず、著者が訪れた時にはなんと1時間半の行列であった。
というのも、本展示は、6人一組で約3分間、会場を歩くことになっているからである。
勿論、一度に多くの人が入ればもっと効率良く見ることができる展示であるが、そうなっては会場の「空気」や光、影を感じることができなくなってしまう。
並んだこともあり、こだわり抜いたコンセプトを理解することができて充実した展示であった。
DAIKIN×nendo「breeze of light」
住所:TENOHA MILANO/ Via Vigevano,18,20144 Milano
会期:2019年4月10日-14日(9:00-19:00)