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Key Lime Pie (参照レシピリンク付き)

昔から、お菓子を作ることが好きでした。
実家にいたころは大食いの弟二人と父がいたので、何を作っても翌日まで残ることはなく、私はいくつも新しいレシピに挑戦できたものでした。

ところが結婚すると、うちの夫は食が細く、ゆっくり楽しんで食べる人でした。そのうえ己を厳しく節制できるので、どんなに美味しくても「一気に食べる」とか「食べ過ぎる」ということがありません。
お菓子を作っても、甘いものは食べ過ぎると体に良くないからと言ってほんの少ししか食べない夫に加え、娘も小食であまりたくさん食べる方ではないので、ホールケーキ一台作ろうものなら何週間も冷蔵庫に鎮座してしまいます。

いつまでも食べ終わらない様子を見ていると、自然とお菓子を作る気も失せるというものです。

なので我が家でケーキを作るときは、一番小さい型に、アメリカのレシピだとその半量で作ります。
(スコーンとシフォンケーキだけは別です。スコーンは朝食代わりになり、シフォンケーキは軽くてすぐ食べれるので規定量いっぱいいっぱいに作ります)

お菓子作りを趣味とする私にしてみると家族の反応が味気ないことこの上ないのですが、近頃娘のピアノの先生がレッスンに来てくれるようになって少し状況が変わりました。レッスン後、先生と少しお茶を頂く時間ができたので、その時にお茶請けを出すことにしたのです。


お若く、お優しい先生は何を出しても「おいしいですねー」「これ好きです!」と笑顔で食べてくれます。

そして私は思いました、
「先生、どうぞ私のお菓子作りたい欲求の生贄になってください…!」
と。

おかげさまで、毎週木曜は時間の許す限り新しいケーキやデザートを試すことにしています。そして、先生がおいしいと仰れば半分くらい持って帰っていただいてしまうのです。しめしめ。

今まで何をお出ししてきたかは忘れてしまいましたが、先生の反応を見る限り暫定一位は「くるみゆべし」だったのではないでしょうか。

レシピはなかしましほさんのもの。クルミにうるさい長野県民の親を持つ私が保証しましょう、このゆべしのレシピは最高であると…!でも私はクルミを倍量にしてしまうのでなかしまさんのレシピ通りとは言えませんが。

先生がとても喜んでくださったので、その日作った分をほぼ全てお持ち帰りいただきました。
先生が喜んでくださる、家にお菓子が残らなくて私がハッピー、そして次回も新しいレシピに挑戦できる。まさしくWin-Winの関係です。


閑話休題、ここからが本題です。
そんなわけで、本日のお茶請けに作ったのはアメリカ人的夏のおやつ、Key Lime Pie(キーライムパイ)でした。

アメリカではレモンと並列して扱われるライム。キーライムは普通のライムより少し小さく、ころんと丸い形をしています。味も香りも普通のライムより強い気がしますが、そこまでライムにこだわりを持っていないのでよくわかりません。

初めてキーライムパイを食べたのは昨年フロリダのキーウエストへ旅行した時でしたが、その時は特に感慨もなく「ふーん、これがアメリカ人が大好きなキーライムパイか」程度のものでした。甘ったるくて、重くて、あまり夏向きには感じなかった気がします。

それなのに何故作ろうと思ったかというと、その時にお土産として買ってきたキーライムジュースの賞味期限が切れそうだったからです。そして、なんとなく、キーライムパイをもう一度食べてみたい気がするかもしれない。夏だからでしょうか。
早速、アメリカ菓子を作るときの師匠、Sallyさんのレシピを参照して作ってみました。

(Sallyさんのレシピは、アメリカ人に食べさせてもアジア人に食べさせてもはずれがないという超優れもの。いつもお世話になっています)


作り方は超簡単、グラハムクラッカーに溶かしバターを加えて台にし、フィリングとしてたっぷりのキーライムジュース、たっぷりのコンデンスミルク、卵黄を混ぜてオーブンで焼くだけ。
レシピにあるマカダミアナッツは入手が間に合わなかったので省きましたが問題なし。


お出ししてみたところ、先生がとても喜んでくださった!
お持ち帰りと称して1/3ほどを押し付けることにしました。あとは週末のおやつに家族みんなで食べれば一週間程度で終わるでしょう。
ふー、これで安心です。

来週は何を作ろうか…
前日にお茶のお稽古があるから、練りきりでも作ってしまおうか…


昔感じていた「お菓子を作る楽しみ」が戻ってきて、木曜日が殊更楽しみになりました。

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