1.2022年夏|北欧デンマーク・フィンランド 教育視察レポート
2022年8月13日〜22日、教育視察で北欧のデンマークとフィンランドの2カ国を訪れました。
子連れなら子連れなりの学びもあるのではないかと思い、思い切って2歳の息子を連れて行ってきました。
人を育てる目的、思想、その手段が密接に繋がっている様子を目の当たりにし、感銘を受けて帰国しました。
視察先での内容や視察の学びを視察先それぞれの記事にしてシェアします。
なぜ北欧の教育視察に訪れたのか?
私はプロコーチという仕事をしています。
キャリア軸の形成や再構築、仕事での昇進やキャリアチェンジ、仕事と家庭の両立、管理職への昇格や職務の役割変化への対応、定年を見据えたキャリア展開など、全般的な”キャリア”の移行を支援しています。
まだまだ駆け出しですが、500時間以上のコーチングを通じて様々な人のキャリアや成長にかかわるなかで、気づいたことがあります。
それは、成人の成長は年齢や仕事の年数で成長が決まるのではなく、経験と学習によって一定の成長プロセスを辿る傾向があることです。
これは、発達心理学の成人発達理論(ロバート・キーガン)の成長段階に当てはめることができます。
成人発達理論は、成人の質的な成長を5つの段階として整理した理論です。
上位の段階に行くに従って、
自己を認知し、他者とより良い関係を築き、自分なりのリーダーシップを発揮し、
さらに自身の枠を超えて他者と創造的な活動ができる存在に成長していきます。
”成人発達理論”という名前がついていますが、年齢に伴う一定の認知的発達は年齢に応じて発達するものの、
幼少期から成人以降までのプロセスと言い換えることができます。
コーチングでは、まさにこの成人発達の移行課題のタイミングを入り口にセッションに来られる方が多いのです。
成長段階の課題は持ち越すため、いきなり第5段階に行くようなことはおそらくできません。
・質的な成長の移行課題を乗り越えていくためには、幼少期から成人までにどのような経験やスキル、また学びが役に立つのか?
・移行をスムーズにするためにできる支援は何か?(課題は持ち越すため)
こんな問いを持ちながら仕事をしてきました。
今回はそのヒントを得るために、教育先進国と言われる北欧を訪れその幼少期から大人の成長段階の中で、成長を支援する先生や親からどのような関わりを受けながら、どのような経験・成長をしていくのかについて触れに行きました。
デンマーク・フィンランドの視察先
追って、それぞれの視察レポート記事も書いていきます。
視察から得られた成長移行支援のエッセンス
主体的自己を持って、自分や周囲のためにともに行動していく人材を育むためには、具体的にどのように人づくりを行なっていくのでしょうか?
デンマーク視察から得た、人の成長を育むエッセンス
人づくりのためのこのような教育現場のデザインがあり、
加えてキャリアの移行を支援する仕組みも存在しています。
●フレキシキュリティ参考書籍
『デンマークのスマートシティ』
フィンランドの教育視察による学び
フィンランドは視察先が2つと限定的なので、デンマークとの比較で感じたことを。
小学校では感情の教育やメンタルヘルスの教育をしているのが特徴的でした。
学費無料、テストなし、といった仕組みはデンマークと同様ですが、違いを前提としてクラスや授業のスタイルも違いに合わせて分けてサポートしていく様子が拝見できました。
平等というよりも公平で、社会福祉色が強い印象を受けました。これは、違いを前提に一緒に作っていくデンマークとはやや思想の違いを感じたシーンでした。
視察先のレポートでも触れていきたいと思います。
視察で感じたデンマーク・フィンランドの支援の違い
デンマークとフィンランドは、個を尊重する教育方針など”北欧の教育”と一括りにして語られることも多いです。
実際見てみると、デンマークとフィンランドでは、根底にある教育の思想や実際の教育や支援の内容は違う印象でした。
デンマークから感じたのは、民主的な人材を育てるために個のリーダーシップを育むデザイン。
フィンランドから感じたのは、個人の違いを前提に、個を尊重し格差を少なくしていくデザイン。
私個人の印象ですが、同じく社会福祉が充実している2国ですが方向性が異なる印象を受けました。
まとめ・感想
小学校の視察やフォルケホイスコーレの卒業生やホームビジット家庭での会話などから、民主主義が根付いたデンマークの人づくりの思想は、幼少期から大人になるまで現場で貫かれていることに特に驚きと感心を覚えました。
コーチングを通じて、また教育現場や職場、子育ての中でこのような機会をどのように組み入れていくことができるか、これから私も考えて行きたいと思っています。
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