私がシリーズものを読む理由

 読書管理を目的として、私は読書メーターを利用しています。
 ふと、自分の過去に読み終えた本を眺めた時に、「シリーズものが多いな」と感じます。
 もちろん、好きな作家さんを追いかけたりするうちに、このような読書遍歴(ちょっと大袈裟だけれども)になったのだと思いますが、初めて読む作家さんの作品であったとしても、比較的シリーズものを手に取りがちだと気付きます。
 縁がなく、シリーズを追いかけられなかったものも含めると、多くのシリーズものに囲まれて私は過ごしているということになるでしょう。

 以前は、なんとなくと思ってシリーズものを手に取っていると感じていましたが、自分の読書の楽しみ方、考え方を少し掘り下げると、なぜ自分がシリーズものに惹かれるのかがほんの少しわかってきました。
 ほとんど、noteを更新していない私ですが…自分を見つめ直す意味を含めて、シリーズものについて自分なりの考察や私が感じていることを記そうと思います。

 私が思うシリーズものの楽しさですが、これは、シリーズものを読む理由とイコールだと思います。
 そもそも、私は読書が好きだ、本を読んでいるぞ、と誰かに言えるようになったのは、約2年半ほど前でした。
 それまでは、本を読むことはあったものの、時間をかけてというよりは、お仕事に役立ちそうな専門書やビジネス書を隙間時間に流し読みする程度でした。
 しかし、環境も変わり、読書に多くの時間をつかえるようになってからは、小説を読むようになりました。そこが今の私をつくったスタートでしょう。

 少し話が逸れましたね。
 そう、シリーズものについてでした。
 シリーズものを読む楽しさは、大きく分けて2つあると思います。
 1つ目は「物語に長く触れることができ、愛着が深まる」です。
 シリーズですから、当然複数冊で構成されていることからも、ページ数もあり(1冊で凄まじいページ数のものもありますが。)、完結しないものについては、刊行される度に手に取り読むという楽しみもあります。
 2つ目は「完結まで読みきった時の達成感」です。
 長期で刊行され、シリーズの冊数が多いものは、読むにも集めるにも体力を使いますし、自分も日々変わるものですから、読み始めの時と物語に接する感情やスタンスが変わると思います。そんな中でも、1つのシリーズを追いかけ、登場人物たちと共に迎えるラストは、言葉では言い表せない(言葉で言い表すのがnoteだけど。笑)達成感と感動があります。

 当然ながら、単発の作品で感じることが、シリーズものに劣っているというものではありません。私としては、愛着・達成感がシリーズものの方が感じやすいというだけです。

 ただ、シリーズものは難点もあります(紙ベースの本で考えて)。
 ・集めるのに時間がかかる
 ・(物理的な)スペースを取る
 ・途中で飽きてしまった時の、罪悪感
 など…挙げていけば、相当数あると思います。

 しかしながら、私としては、これらの難点をなぎ払うほど、シリーズものの楽しさに取り憑かれています。
 同一の作家さんでは、シリーズとシリーズに少しの関連性を持たせ、こっちのシリーズ読む前にこっちなんてこともあります。
 そのようなシリーズに手をつけ始めた時には、私の中で歓喜の声がありますし、その少しの関連性に気付いた時には、小さくガッツポーズをしたくなります。

 これから先のことはわかりませんが、きっとこれからも私はシリーズものを追いかけ、にやけながら本を読むんだろうなと思っています。
 自分なりの楽しみ方で、読書をしていけたら嬉しいですよね。
 最後に、末尾にはなりましたが、私をシリーズもの好きに引き込んだシリーズを2つ紹介し、終わろうと思います。

1.S&Mシリーズ 森博嗣氏
 「すべてがFになる」など映像化された作品を含む本シリーズ、森博嗣さんの原点にして至高のシリーズと感じる。
 物語は、国立N大学の犀川創平と西之園萌絵が中心となり、様々な難解事件に挑むこととなる(犀川は乗り気ではなく、西之園萌絵が前のめり感が否めないが。)。
 よく、理系ミステリィなんて呼ばれるし、建築・力学などの専門用語も多い。知っていなくても読めるし、知っていたらより面白い。
 大どんでん返しという感じではなく、淡々と美しく、静かに、綺麗に謎を解くそんなシリーズ。
 なお、森博嗣さんの作品には欠かせない、天才・真賀田四季が出てくる(真賀田四季を掘り下げたい場合は、四季シリーズを読むといい)。

2.「2」シリーズ 野﨑まど氏
 「2」を含む全6作のシリーズであるが、それぞれの物語のタイトルに繋がりはなく、一見バラバラの小説のように思える。
 しかし、「2」にたどり着く前には、前5作品を読まないと物語の真相や真価はわからないという風変わりなもの。
 率直に、シリーズとしてジャンルに分類することは難しく、時にミステリィであり、時にファンタジーでもありSFでもあり、友情小説でもある。
 しかし、シリーズ通して言えることは、背筋が凍るということ。
 ホラー的な怖さではなく、作者の頭の中、想像が斜め上を行きつつ、そのかけらに少し気付いた時…「あれって…」なんて、物語のすべてがフラッシュバックする感覚を味わうことができる。
 最近は、映画脚本も書いた作者のため、以前に比べて手に取りやすい本シリーズである。手に取ることがあれば、事前に読む順番を調べてからが良いと感じる。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。
 今度は、読書メーターの本棚機能で整理した、再読必至の本について書いてみようかな。

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