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【読書】「日本女性史」脇田晴子 林玲子 永原和子編② 【古代の女性 律令国家】

今回の読書感想は
「日本女性史」

テーマは
「古代の女性」
「律令国家」


律令国家

唐律令と日本律令

唐律令
女性を扶養されるもの
弱き者
産む性としていちづけ

法的未人格のムスメにすぎず
結婚して初めて所属が確定する
夫の人格と同一化して
法的に一人前のツマ・ヨメになる
強固な家父長制の家族

官僚制で女性は排除される
すべて後宮に押し込められる
皇帝も父系のみの唐では
後宮の女官は誰でも
皇帝の配偶者になる可能性があった

日本律令
女性にも2/3の田が班給
私有財産も認められる

結婚は慣習としてあいまい
結婚は地位の変化にならない
未婚と既婚の区別はあいまい
ツマ・ヨメにではない
オンナの存在が許容されていた

双系的な日本では
天皇の配偶者も系譜が重視される
一般女官は独立性自由をたもち
夫を持つものも多くいた


村の生活

掘立柱建物や倉庫をそなえた
共同体の首長の住居

家父長制は未成立
夫方居住婚は未成立
女性も財産を所有管理

階級関係があり
村人は首長に隷属していた

農業労働では女性が重要だった
相互扶助的集団労働
女性の生産力、役割が大きかった


女神の没落

神話のなかの兄妹
神の子を産む妹
司祭者で政治的支配者の兄
日本古代の女性祭祀者の原型

妹は御祖神(みおやがみ)
兄の政治的支配者の源泉たる神の
「母」としてのみの尊崇

兄は自らを神の子孫と位置づけ
始祖たる神と一体化をとげる

妹は女神の座から転落
従属的祭祀者におしこめられる

政治にかかわる祭祀の場において
女性の公的劣位化がすすんだ


女帝

6世紀から8世紀
6人8代の女帝ラッシュ

天皇一族で極端な父系近親婚
聖なる血統の純化
一族の支配体制の確立
現人神思想の高揚


万葉集

古代の婚姻は夫婦別居
7~8世紀は男が女のもとに通う
妻問い婚(つまどい)

家族が
社会の基礎的経済単位として
一般的に成立するのは
平安末以降


まとめ

今回は
律令国家の女性史を
勉強しました

日本と唐の違い
祭祀や神事での女性の役割
官僚制における女性の立場
など
さまざまな学びがありました

とくに
女性祭祀者が女神から
従属的な立場になってしまう
歴史の流れがわかりました

どうしても
女性が弱いものとして
定義されてしまうのか

儒教思想
強固な家父長制のせいなのか

日本的な律令では
女性の立場は
独立性や自由をたもっていました

なぜかそのいい部分を残さないで
そのまま
唐律令にならうようにして
変わっていったのかが不思議でした

当時はそれが
最先端だから唐律令をまねしよう
みたいな感覚だったんですかね

時代の流れがあって
歴史を今の時代と比較して考える
楽しい学びでした

次回は
「王朝文化」
を勉強していきます

それではまた

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