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岩崎尚美
2019年9月30日 12:20
高校のとき、先生に恋をしていた。恋、という表現が正しかったのかはわからない。だってわたしは、先生のことなんてほとんど何も知らなかった。知っていたのはせいぜい、先生が学校にきて、わたし達に授業しているただその一瞬だけだもの。もしかするとあの気持ちは、今で言うところの『推し』に近いものだったのかもしれない。それでもたしかにあの頃、わたしは先生が大好きだったのだ。授業の前にはまるで新品かと見
2019年9月25日 17:57
「大事には至りませんでしたが」その一文を読んだ瞬間、心の底からヒュッと冷たい風が吹いたようだった。わたしはそんなことを言ってない。ただ、聞き手がそう書き換えたのだ。「ああで、こうで、そうなった。そこまではされなかったけど、わたしにとってこんなにも苦しくつらい思いをしたのは初めてのことだ」詳しくは割愛するが、そういったようなことを話していた。相手は眉間に皺を刻みながらそれを聞いて、大きな
2019年7月18日 14:59
ひさびさにカフェでひとやすみしている。フリーランスの中には「カフェが仕事場」みたいな人も多いそうだけれど、わたしは大体家にいるので、カフェにはそうそう足を運ばない。だって、お金がかかるもん(溢れ出る主婦感)。そんなこんなでひさびさなわけだ。せっかくなので、と選んだのは、つい先日(良くない)ニュースで目にしたサンマルクカフェ。近頃の売上が芳しくないという記事だった。それを読んで「確かに、あんまり