生命力
近ごろ、戦争というもののエネルギーの強さに圧倒されている。今住んでいる地域では、イスラエル関連のデモが各地で毎週末律儀に行われ、そのたびに何千人という人々が叫び、警察が出動する。もちろんファッション感覚で参戦している人もいれば、騒動が激化することもあるので世間には眉をひそめる人も大勢いる。が、このSNSの時代にフィジカルなデモに集うその熱意、熱気には感心してしまう(口外はしない)。戦争が生み出すものは単なる悲劇に留まらないらしい。
わたしの敬愛する作家もみな戦争を生き抜き、名作を生んだ。アウシュヴィッツを生き抜いたヴィクトール・フランクル、ソ連の抑圧時代を生きたソルジェニーツィンやトルストイ。その理由は簡単で、悲劇は必ず名作を生むからである。誰もが知っている名作映画はたいてい戦争絡みである。それも残酷なほど、有名になる。「シンドラーのリスト」「戦場のピアニスト」「西部戦線異状なし」に「ハクソー・リッジ」挙げだしたらきりがない。
わたしは政治や社会情勢にちっとも興味がなく、意見もないが、こうした悲劇を描いた作品には目がない。この言い方はなんだかばつが悪いが、事実である。今の情勢には興味がない割に、終わった戦争の事情にはやたら詳しい。あれば展示やパレードにもときたま足を運ぶ。
五木寛之がなにかの本で、 "戦時中は生きている感覚があった" と綴っていて、戦争のエネルギーをよく表している文章だなぁと感心した覚えがある。戦禍では、人の生きるエネルギーみたいなものが顕在化する。平和で、死が遠くにあることで、わたしたちはなんのために生きているか分からなくなる。
はあ、なんて美しい。
戦禍のエネルギーに、必死で生き抜き、散る人生に、わたしはどこか憧れているのだ。
【余談】
好きな戦争映画ベスト
「灼熱」クロアチア内戦
これが断トツ一位。次いで、
「アンノウンソルジャー」フィンランド
「西部戦線異状なし」ドイツ
「1917 命をかけた伝令」UK
「名もなき生涯」オーストリア
あ、これもオススメ。
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相変わらずの駄文。
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