怪奇
マッケンは怪奇小説で有名な20世紀イギリスの作家。
すべてを読んでいるわけではないが、彼の小説は言葉にしきれない人と人、もしくは人と大地との空気間を文章にしているような感覚がある。
そこに多次元的なふわふわとした感覚、子供によく見られる神秘的な体感をうまく盛り込んだ感じ。
人は、科学で説明できない不思議なものごとに心惹かれる生物だ。
そして生きるということは、解決できない謎とともに時間が過ぎること、でもあるとわたしは思う。
それは人の脳に起伏する現象なのか、現実に目の前で起こっているのか、わたしたちには分からない。
そういった意味で、怪奇小説とはかなり現実味を帯びている。
登場人物はそういったものごとに心惹かれる。
本能が危ないと感じている不思議な世界に。
ラヴクラフトや江戸川乱歩然り、怪奇小説と呼ばれるものはある種の現実味を帯びているだろう。
現実世界の、皆が決して口に出さない、心惹かれる世界を文章にすると「怪奇小説」になるらしい。