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【旅打ち】和歌山場外_2023年7月
2023年7月29日(土)に珍しく場外馬券売り場へ行った時の話です。近郊への短い日帰り旅の割にはやや熱量(文字量)の高い記事になってしまいましたが、よろしければお付き合いください。
高知競馬・倉兼騎手の引退
ワタシが日本の競馬で最も好きなのが高知競馬なんですが、高知のトップジョッキーである倉兼育康騎手が7月末をもって騎手を引退し、調教師に転身することになりました。
倉兼騎手を知ったのは2005年4月に高知競馬場を訪れた時のこと。その日は年度初めということで騎手勢ぞろいでの主催者挨拶があったのですが、その時センターにいたのが倉兼騎手。
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社台っぽい勝負服(騎手服)が目立ちますし、何よりすごいイケメン。
その後、個人的にしばらく競馬から遠ざかった時期もありましたが、しかしその間も倉兼騎手に関する話は聞こえてきました。それは何故かと言うと、彼は2007年7月~2009年4月、2013年4月~2016年7月の約5年間韓国で騎乗し、通算2820戦347勝を挙げたこと。(このあたり、出典は下記記事です)
あと、彼が高知に戻ってからも、韓国で磨いた追い込みの騎乗スタイルを生かし、向こう正面からスーッと上がっていき最後は気持ち良く差し切る競馬に魅了されました。特に2019年9月の西日本ダービー・アルネゴー号での勝利はまさにその代表的な騎乗かと思います。(下記は映像リンクです)
高知のみならず地方競馬は如何に逃げ・先行馬がどれなのかを推理するのが重要なんですが、それは裏返すと大方逃げ・先行で決まることが少しつまらないことも。そんな時、倉兼騎手の追い込みに期待して馬券を買い、それがハマったときの爽快感は何にも代えがたいものでした。
そんなこんなでワタシが高知競馬にハマった要因として間違いなく大きかったのは倉兼騎手の存在。そんな彼が騎手としての最終週に、これまた名コンビとして名を馳せたスペルマロン号(高知競馬初の1億円馬)に騎乗するということで、これはもう絶対に記念馬券を買わなければなりません。
騎手名入り馬券を買うには?
さて、ではどこで記念馬券を買うか。まず考えたのは高知競馬場に行くことですが、別に時間・費用的に行けなくもなかったものの一つ大きく引っかかるものがありました。それは、高知競馬場の馬券には騎手名が表示されないことです。
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騎手名が表示されないというのは中央競馬では当たり前の話なんですが、地方競馬ではむしろ逆で表示される方が多数派です。しかし高知競馬場は日本トーター社の投票券システムを採用しているため騎手名が表示されず、記念馬券としてはちょっと物足りないものになります。
となると、騎手名が出るシステム(富士通フロンテック社製)を導入しているところに行かなければなりませんが、高知競馬を場外発売しているところは名古屋競馬系「サンアール」、日本レーシングサービスが運営の「BAOO」、そして兵庫県競馬系「DASH」の3種類。
高知に行かず名古屋やBAOOのある中国・九州地方まで行くというのは何か本末転倒のような気もしますので自動的に選択肢はDASHになりますが、尼崎市在住のワタシにとってDASHの中では行きやすい心斎橋と岸和田は土日休み。また、高知競馬を発売しているものの中四国に所在する福山駅前・呉・観音寺は名古屋・BAOOと同様の理由で除外です。
そうなると残る選択肢はよかわ(三木市)と和歌山の2つになりますが、よかわは同じ兵庫県内であるもののJR三田駅から本数の少ない送迎バスを利用しなければならず、その周りは車が無いと全くどこにも行けないところ。一方で和歌山は和歌山市駅から歩いて行くことも可能であり、他にも和歌山ラーメンや和歌山城など観光要素もアリ。これはもう和歌山で決定です。
人生初の和歌山市へ
朝8時半に家を出発し、阪急神戸線→大阪メトロ御堂筋線のルートで南海難波駅へ。ここからは南海の誇る特急サザンに乗ればちょうど1時間で和歌山市へ行くことができます。
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もちろんサザンの指定席は快適で、ラピート同様結構なスピードを出して走ってくれます。途中泉佐野まではラピートから見慣れた景色ですが、そこから先は完全に初めての世界。特に尾崎を超えてから右手に広がる大阪湾の景色が最高でした。
サザンは定刻10:45に和歌山市駅に到着。これまで和歌山県には2回来たことがあるのですが、それはいずれもJR特急くろしおに乗っての白浜訪問(ゴルフ旅行)。和歌山市は人生初の訪問です。多分関東で言えば「川崎市の人が千葉市に行ったことが無い」という感じでしょうか?(知らんけど)
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「お得なきっぷ」考
難波・和歌山市間の乗車券を往復で買うと1860円になりますが、ここで是非利用したいのは南海電鉄が発売している観光きっぷ。ワタシは「和歌山観光デジタルきっぷ」を購入しました。
これは2000円ポッキリで難波・和歌山市間の往復乗車券と、和歌山市内の路線バス1日乗車券、そしてキーノ和歌山で使えるグルメクーポン500円分と、さらには市内観光施設・飲食店で使える各種割引クーポンがセットになったものです。(特急サザンに乗る場合は別途座席指定券を要購入)
2000円=普通のきっぷ往復代+140円ですので、初乗り220円のバスに1回でも乗ればすぐに元が取れるというこのお得なきっぷ。しかもスマホで使えるデジタルきっぷなので便利さとお得さを兼ね備えたものとしておススメ!
・・・とその時は思っていたのですが、帰ってきてから調べると、当日主要駅で買える紙版の「和歌山観光きっぷ」だと特急サザンの往復座席指定券付きが2520円で発売されていたのを発見!
ワタシは今回「デジタル」2000円+サザン座席指定券(ネット購入)往復1040円=3040円の支払いだったのですが、まさか紙版の方が520円もお得だったとは・・・。そんなことってアリ!?
デジタルのほうがコストかからないだろうし、わざわざ紙のきっぷなんて資源の無駄遣いだしSDGsにも逆行してるし、これはK野大臣なんとかしてくれよツイッターのDM送っちゃうぞ、あ、いまはツイッターではなくエックスか・・・(取り乱し中)
結論、紙版の「和歌山観光きっぷ」を買いましょう。
和歌山ラーメン
気を取り直してと言いますか、まぁその時は紙版のことなんて知らずにお得と思われるきっぷを片手にルンルン気分でしたので仕方がありません。デジタルきっぷを手に駅から向かったのは800m先の城北橋。十分に歩ける距離ですが、クソ暑いですしこのデジタルきっぷがあるので迷わずバスに乗ります。
城北橋バス停で下車し、東のほうに100mほど歩くと本日のお目当ての一つ、ラーメン店「まるイ 十二番丁店」に到着。
和歌山ラーメンと言えば「井出商店」が有名ですしその他にも数多くの名店があるようですが、「バス停の近く且つ和歌山城に近い店」という条件で探してヒットしたのがこちらでした。食べログの評価も高いですし、何より魅力的だったのはこちら↓
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(「半分」とか「少なめ」「なし」の指定も可能)
ネギ大好きのワタシにとってはたまらない一品です!
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ワタシはラーメンの中では徳島と和歌山が双璧だと思っているのですが、そのどちらも味が濃いもの。徳島ラーメンはそれをおかずにして白飯を食うのがデフォですので、今回似たようなものである和歌山ラーメンにも白飯を付けましたが、周りの地元民と思われる人たちは白飯追加ではなくラーメン大盛りを頼む人が多いようでした。
いい感じに獣臭さが効いたとんこつ醤油ベースの味はもちろん満点であり、しかも「和歌山観光デジタルきっぷ」のクーポン50円引きも利用でき、大満足の昼食でした。
和歌山城へ
食後、店から少し南へ歩くとすぐに和歌山城(西の丸庭園・わかやま歴史館側)が。
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(あの時代劇は徳川吉宗が将軍就任して江戸に移ってからの話ですが)
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まぁはじめから分かってはいましたが、この猛暑の中の城巡りはやや無謀でした。木陰で天守を眺めながら20分ほど過ごし、少し汗が引いたところで中へ。わかやま歴史館との共通入場券410円がデジタルきっぷの特典を使うと300円に割引となります。
ただし窓口のおっちゃんはこのデジタルきっぷのことをあまりよく知らないようであり、「え、それ何のきっぷなん?南海?それなら何か南海さんって分かる画面見せてくれへん?」とタメ口で訊かれたので、またクソ暑い中いくつも画面を展開しながら説明して、と。
自体験に基づく完全な私見ですが、徳島(阿波弁)とか淡路(淡路弁)とか和歌山(紀州弁)の年配の人って、初見でもタメ口が多い気がします。距離感縮まるので悪い感じは全くしないんですけどね。
これなら紙きっぷ見せた方が早いやん。だからデジタル化のメリットはどこに!?
・・・そんなこんなで、ようやく天守閣の中に入場。江戸時代末期に再建された天守は太平洋戦争の空襲で焼失してしまい、いま建っているものは1958年竣工の復元天守ですが、それでも大阪城よりは「昔の城」っぽさが残っている造りでした。
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またもや噴き出し始める汗は止まらず、「昭和の復元天守なら大阪城と同じくエアコンとかエレベーター付けてくれよ」とか思いながら階段を上り一番上の展望階へ。
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しかしながら和歌山城天守閣からの眺めは素晴らしいものでした。さすがは名城です。あと、この展望階は四方が吹き抜けになっているのですが、ここを通り抜ける風が大変心地良く、途中階にあった扇風機の前で涼むよりはこの展望階に来た方がよっぽど休めます。
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天然の扇風機が非常に心地良かった・・・
その他、途中階の展示物も貴重なものが多く飾られていて見どころがありましたし、休憩も挟みながらで2時間近くは城内に滞在したと思います。
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その後、また汗をかきながら麓に下り、わかやま歴史館へ。
ここはそれほど大きな施設ではありませんが、入場してからすぐに何故かシアタールームでの鑑賞を強く勧められたので中へ。博物館ではあまり上映モノって観ないタチですが冷房がよく効いていたので涼みがてら・・・と思っていたところ、第10代紀州藩主・徳川治宝(はるとみ)の天守再建に捧げた情熱が伝わってくるとても良い出来の内容に軽く感動。たまにはこういうのを観ておくべきですね。
さぁ和歌山ラーメン&和歌山城という目的を達成しましたので、今から馬券の購入へ。お城からDASH和歌山までは徒歩10分弱の道のりで、本町通りを北上します。それにしても暑い・・・。
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見ながらけやき大通りを東に歩き・・・
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すぐ先にある公園前交差点を左折すると本町通りへ
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ようやく馬券購入も・・・
ということで今回の主目的からすると非常に長い前振りとなってしまいましたが、ようやくDASH和歌山に到着。あぁ暑い。
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なんか人通りが寂しいけど・・・
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思ったより広かったです。
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基本は兵庫県競馬の施設ですのでこんなものが貰えます
お目当ての馬券を無事に仕入れることができましたので、あとは和歌山市立博物館や紀三井寺競馬場跡地にでも行こうかなと考え始めた矢先に感じたのが頭痛とまでは言えないレベルの、しかしなんかモヤっとした後頭部への違和感。これは経験的に熱中症のサインかも。
まだ時刻は14時過ぎですがこれ以上外を歩き回るのは危険かと感じましたし、この日の中央競馬はこのままここに残って買いたいレースも特に無いので、もう無理はせずまっすぐ帰ることにしました。ナイター開催である高知競馬は冷房の効いた我が家でビールでも飲みながら大画面テレビに映したネット中継で楽しむことができますし。
DASH和歌山を出てすぐのところにある本町二丁目停留所からバスに乗り、5分ほどで和歌山市駅に到着。タイミングよく14:30発の特急サザンに乗れましたので家には16:45ぐらいに帰着。そしてすぐに水シャワーを浴びてサッパリしてから17:15発走の高知4Rサトノアラジン賞(準重賞)を観戦。
すると、我が最推しのスペルマロン&倉兼騎手が見事に勝ってくれました!この後の晩酌ビールが一段とウマかったことは言うに及びません。
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的中しているけど永久保存します
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そんなこんなで短い日帰り旅になってしまいましたが、熱中症は本当に怖いので無理は禁物。あと、難波→和歌山は時間的には三ノ宮→京都と同じぐらいですし、距離的には大阪→草津、関東で言えば東京→横須賀と同じぐらい。また気軽に行けばいいのです。
と言いますか、高知競馬の紙馬券をここ関西で気軽に買えるオプションを見つけられたのは収穫でした。収支管理ができるので基本はネット投票なんですが(開催競馬場に行ってもネット投票)、競馬ファンにとって推し馬の紙馬券は写真と同じぐらいの価値がある、思い出のアルバムの1ページ。これからもたまにですが和歌山に足を運ぶことがありそうです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。