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どうせ歩くなら葛城古道04

葛城古道を59歳女が歩いた記録です。

室宮山古墳から国道309号線を西へ。
30分で葛城古道に再合流。

森脇の集落に入って
今回どうしても行きたかった
片上醤油さんを訪ねました。

片上醤油 (奈良県御所市森脇)

美しい佇まいのお店。

竹原行ったときは塩の作り方を知らなかった。
今回は今回で醤油の作り方を知らない。

「大豆を煮て塩とか麹とか入れて
発酵させて上澄み液をとる」

・・でしたっけ??
ほんとにいい歳して恥ずかしい。

調べてみました。(ググるだけ)

【醤油の作り方】
1)大豆は蒸す。小麦は炒って砕く。
2)そこに麹菌を加えて麹を作る。(これを製麹という)
3)麹に塩水を加えて発酵させる。(できたものを諸味という)
4)諸味ができると麹菌の繁殖が止まり酵素が働き始める。
5)酵素の働きによって
   大豆のたんぱく質がアミノ酸に
   小麦のでんぷんはぶどう糖に変わる。
  アミノ酸とぶどう糖によって乳酸菌・酵母の働きが活発になる。
  醤油の色はこの二つの一部が結びついたもの。
6)熟成されたもろみを絞って加熱・殺菌する。

参考:「職人醤油」HP https://www.s-shoyu.com/foundation/know05

生物やら化学やらの教科書みたいですね。
途中で置いてけぼりになりそうですね

大手メーカーが大量生産する場合は
工場のタンクで諸味を熟成させますが
こちらは使い込まれた杉の桶でゆっくり熟成。
桶には微生物が住み着いていて
温度や湿度によって異なる働きをするので
醤油の味もそれに左右されるのだとか。
自然と共生して作られた醤油。
人の体に悪いわけがない。

片上醤油さんには先客がいた。
20代くらいの男性。
私が店にはいると自分の荷物をささっと避けて
席を譲ってくれた。
お店の人はいない様子。
「このベルを押したら来てくれますよ」
親切に教えてくれる好青年くん。

彼も葛城古道を歩いてきたらしく
ここから御所駅まで戻るのに
タクシーをアプリで予約したそうな。
その手があったか。
便利な世の中になったものです。

お店のご主人が戻ってきたので
お土産セット(1500円)を購入しました。
こいくち・うすくち・たまりの三種類。

我が家では食べる物や着るものは
できるだけ国産のものを買うようにしています。
ど庶民で貧乏人の分際ではありますが
日本の農家さんや職人さんたちを
微力ながら応援したいと思っています。

タクシー待ちの彼に別れをつげて出発。
左手に一言主神社の鳥居が見えてきました。
体力温存のため本殿はスルーさせてもらって
ここから拝ませてもらいます。
すみません。

一言主神社 鳥居 (奈良県御所市森脇)

葛城古道はここからほぼまっすぐに北上して
終点の櫛羅集落六地蔵へと向かうのですが
さっきから足が「もう限界!」と訴えているので
国道24号線に出て鴨都波神社への最短距離を
とることにします。

森脇の集落から東に向かって歩いていると
後ろからタクシーが追い越していきました。
好青年よ。道中どうぞお気をつけて!

三室の集落に入ると雰囲気ががらりと変わります。
新しい一戸建てや集合住宅、工場などが目立ちます。

三室橋(奈良県御所市御室)

鎌田川が葛城川に合流する三室橋。
風の森峠以北はこのように小さな川が
東西方向に幾筋も流れて葛城川に注ぎ込み
細長い平野を作っています。

国道24号線に出てきました。

国道24号線 三室交差点(奈良県御所市三室)


左折して北へ歩きます。無我の境地で。
ひたすら鴨都波神社を目指しながら。

国道を挟んでこんもりした山がありました。
孝昭天皇の陵墓「 掖上博多山上陵」です。

わきのかみの
はかたのやまのえの
みささぎ

と読むらしい。舌噛みそ。

孝昭天皇 掖上博多山上陵(奈良県御所市三室)

室八幡神社に宮があったのはこの天皇だっけ?
いやちがう。あちらは孝安天皇だ。
このあたりの天皇の名前はややこしいです。

第5代 孝昭天皇(掖上博多山上陵)
第6代 孝安天皇(室秋津島宮)
第7代 孝霊天皇
第8代 孝元天皇

諡名をつけた人も適当すぎるでしょ。
まあ語呂がよくて覚えやすくはあるが。
こうしょうこうあんこうれいこうげん・・

孝昭天皇は114歳までご存命だったらしい。
ついでに言うなら孝安天皇も137歳まで
ご存命だったらしい。
他の方も下記の通り。

第5代 孝昭天皇(114歳)
第6代 孝安天皇(137歳)
第7代 孝霊天皇(128歳)
第8代 孝元天皇(116歳)

んなアホな!

そのような事情からこれら四人の天皇方を含む
第2代綏靖天皇〜第9代開化天皇は
欠史八代と呼ばれ実在が疑われています。
しかしこれは当時の暦の関係でこうなっただけで
実際はこの半分が正しいらしい。
そうなれば実在された可能性もでてきますね。

鴨系神社ファイナル。
鴨都波(かもつば)神社にやっと到着!
別名「下鴨さん」

鴨都波神社 拝殿(奈良県御所市宮前町)

御祭神
 積羽八重事代主命
 (ツワヤエノ コトシロヌシノ ミコト)

  「コト」・・「言(言葉)」・「事(事柄)」
  「シロ」・・「代(シロ)」「知る」
 
言葉を掌る託宣神の性格を持つ神様です。
大国主命の子で国譲りを要求する高天原からの使者
(もしやタカミムスヒ?)に対して
父にかわって国譲りの誓約をしました。

本殿は江戸時代に建てられており
御所市の文化財に指定されています。
高鴨神社と同様に流造ですが
中央に千鳥破風がついています。

また正面には別の建物がくっついている
珍しい構造のお社です。

さてこちらも御朱印は書き置き。
やばい!小銭! あわてて探すと
(学習能力欠如)
奇跡的に500円玉を発見。
そうだ片上醤油さんでお土産買ったんだった。
その時のお釣り。助かった。(助かるな!)

神社の南側に広がる林が鴨都波遺跡です。
弥生中期に営まれていた遺跡で
土器や農具、住居跡が出土。
鴨氏は金剛山の麓から川に近いこの場所に移り
本格的な農耕集落を営みました。

その後この地を葛城氏が支配するようになると
鴨氏はここから姿を消します。
理由は不明。葛城氏に滅ぼされたのでしょうか? 

しかしその後、今度は山城国で
上賀茂・下鴨両社を祀る賀茂氏として登場
その子孫は全国に広がって活躍します。
よかったよかった。

境内を抜けて神社の東側に出ました。
葛城川を渡るとそこは御所まち。

御所まち(奈良県御所市)

御所市は古墳や遺跡だけではないのです。
見どころがたくさんありそうなので
日を改めてじっくり歩くことにします。

てなわけで通過。

近鉄御所駅に到着したのは午後3時すぎ。
ちょうど電車が止まっていたので
国道24号線を余裕で横切り(また信号無視)
無事に乗り込むことができました。

片上さんで購入した醤油と
御所まちの東川酒店さんで購入した
油長酒造の「風の森」で
リュックが鉛のように重い。

でも晩御飯が楽しみです。


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