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人間の特権

泣くという行為は人間の特権?

作詞の合間にとある小説を読んで、
久し振りに嗚咽するほど泣いた。

ああ、そうだ、泣くってこんな感じだった、と
とめどなく流れる涙と鼻水を拭きながら、
いろいろなことを思い出していた。

ありがたいことに近頃は悲しいことが全然なくって、
映画やドラマを観てホロリ、くらいはあっても
抑えきれないほどの涙ってしばらくなかった。

久し振りに泣いて思ったのは、
こんなにも体力の要ることだったっけ、ということ。
ひとしきり泣いた後、身体に力が入らなくて驚いた。

おかげで、作詞の合間に、のつもりだったのに
まったく書く気が起きなくなってしまった。

思えば、イコが死んで以来の号泣だったな。

涙を流す、という行為は
大抵の場合はとても悲しく苦しいものだけど、
流せるだけマシなのかもしれない、といつも思う。

いっぱい泣いてスッキリしたという経験は
きっと誰しもあるんじゃないかと思うけど、
目に見えない何かが涙と一緒に流れ出ているとしか考えられないもんな。

それがなかったらと思うと、
ちょっとゾッとしてしまうくらいだ。

ああ、明日は目が腫れそうだなあ。

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