並行する物語
甘いものを欲している。
カラダが、というよりは、脳が。
オンオフの切り替えは得意。
時間は作るもの。
何があっても睡眠は削らない。
そう思って日々暮らしてきたけれど、
得意なフリしていただけかもしれない。
ということに、少し前に気が付いた。
オフだと思って過ごしていた時間にも
バンドのことを忘れたことはないし、
眠る直前まであれこれ考えているから
毎晩のように仕事の夢を見る。
昔、不眠症の原因を探していた時、
脳波を検査してもらったことがあった。
通常、目を閉じてしばらく何もしないと
脳波は少し穏やかになるらしいんだけど、
あたしは目を開けている時とまったく変わらず、
これじゃあ眠れるわけがないよ、と言われた。
なんだか妙に納得してしまって、
そこから不眠症を治すことを辞めた。
マルチタスクが癖になっているあたしが見る夢は、
時々5つくらいの物語が交差して進んでゆく。
我ながら、そんなに生き急がなくてもと思うけど、
なんとなく得したような気持ちになったりもする。
だから、
脳が甘いものを欲しがる時はしっかりと与えて、
またフル回転で働いてもらう。
どうしたっていつか止まるんだし、
ひとつでも多くのことを考えて
生きてゆけたらいいじゃない。