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私の「アルハンブラの思い出」は美しさよりスリと生ハム
何そのタイトルって感じですよね。
私、学生時代にプチ世界一周をしたことがあって、アルハンブラ宮殿もその途中に訪れたことがあるんです。
たしかに、めちゃくちゃ綺麗な宮殿でした。
でも、でもでもでも。
私の脳裏に一番に浮かぶのは、その豪華絢爛な姿ではないのです。
アルハンブラ宮殿ってピンときます?
と、意味深な入りをしておいて何ですが、そうは言ってもまずはアルハンブラ宮殿そのものの話をしたいと思います。
みなさん、アルハンブラ宮殿って言われて、パッとその姿が思い浮かびますか?
世界史で習ったような気がする。
ヨーロッパとか中東とかあの辺じゃなかったっけ。
そんな人もいるかもしれません。
アルハンブラ宮殿とは、スペイン南部のグラナダという都市に遺る宮殿。
ヨーロッパ地域の宮殿というと、イタリアとかフランスとかにあるようなTHEヨーロピアンな教会やお城をイメージするかもしれませんが、
アルハンブラ宮殿はTHEイスラムな様相なのです。
(ここまでの語彙力が終わってることは目をつむってほしい)
それは歴史上、スペインの位置するイベリア半島はイスラム勢力に支配された時期もあるから。
世界史好きの人にとっては常識かもしれませんが、その歴史をざっくり簡単に解説してみます。
…私も学生時代は世界史だいちゅき♡でテスト勉強も張り切ってたタイプなんですが、いかんせん十数年前のことなので記憶はあやふやで…
調べて確認しながら書きますが、ちょっと間違ってたらこっそり教えてね。
と、予防線はこれくらいにして。
イベリア半島もかつては、あのバカでかいローマ帝国の支配下にありました。
でもローマの支配力がだんだん落ち、ゲルマン人の大移動で玉突き的に押し出された西ゴート人が入ってきたり。
揉みくちゃが続いて最終的には、アラビア半島で力をつけたウマイヤ朝に侵攻され、そこから800年近くイスラム勢力による支配が続きます。
結構長くないですか?
とはいえ、キリスト教徒たちも黙ってはいません。
のうのうと自分たちの土地を明け渡していては名が廃る!!!(そんな江戸っ子マインドだったかは知らんけど)ということで、
自分たちの土地を取り返す運動、レコンキスタを開始し、イスラム勢力と各地で戦いを繰り広げました。
押されたイスラム勢力は徐々にジリ貧になっていくのですが、そんななか最後に成立したイスラム王朝がナスル朝グラナダ王国。
そしてこのグラナダ王国が建設したのがアルハンブラ宮殿です。
ちなみにグラナダとは「ザクロ」という意味らしい。
街中にザクロをモチーフにした装飾があるそうです。(現地に行ったことがあるのに気づかなかった…知らないってもったいないね…)
なぜザクロなのかというと、グラナダ王国の強固さを表しているんだそう。
というのも、グラナダ王国はそんなに大きな国じゃなかったものの、キリスト教徒のレコンキスタになかなか屈しなかったらしく、
それをようやくこじ開け陥落させたということを、ザクロの硬い皮がやっとパックリ開いたということに例えたんだとか。
いや、いちいちセンスがある……こういう話に私は弱い。
で、そんなザクロの硬い皮のように、難攻不落なグラナダ王国が建設したアルハンブラ宮殿、装飾が美しいったらありゃしない!
とっても繊細で緻密で精巧で……こういうのにも私は弱いわけです。
その美しさで破壊を免れたイスラム建築
美しいったらありゃしない!に弱いのは、どうやらキリスト教徒も同じだった(?)模様。
レコンキスタでイベリア半島を取り戻すと、キリスト教勢力はそれまでのイスラム建築をどんどん破壊してしまったのですが、
このアルハンブラ宮殿はその美しさから破壊を免れたといいます。
征服後、スペイン国王が避暑地に選ぶなど、脈々と守り受け継がれたことで、今も私たちはその豪華絢爛な姿を堪能することができるんですよね。
どこがそんなに美しいのかって、もうこれは百聞は一見に如かず、見てきてくれ!と言いたいのですが、
コンビニのように到底気軽に行ける距離じゃないので、この記事でも参考にした、世界遺産検定公式YouTubeの動画を貼っておきます。
もうさ、サムネからしてめちゃくちゃ美しくない????
グラナダ王国成立から、170年に渡り歴代の王が改築を重ねたアルハンブラ宮殿。
その美しさを作り上げているものの一部をピックアップすると、
1. 気持ちいいくらい整ったアラベスク文様
2. 気の遠くなるほど精巧な鍾乳石装飾
3. 砂漠のオアシスを思わせる美しい造園技術
こんな感じだと理解しました。↑の動画から。
アラベスク文様というのは、植物や花をモチーフにした規則性、連続性のある、シンメトリーな模様です。唐草模様みたいな感じもある。
ピンときやすいのは幾何学模様ではないでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1713355253107-5j2kzAmYdg.png?width=1200)
こういうデザイン大好きすぎるので、訪れた当時の私も、幾何学模様のデザインのキーホルダー買ってめちゃくちゃ愛用した記憶があります。
家のカギにつけてたからもう消耗しちゃったんだけど、あと10個くらい買っとけばよかった。
そして鍾乳石装飾。
日本ではあまり馴染みがなくイメージしにくいかもしれませんが、動画でみてもらうと分かるように、すんごく細かいハチの巣のようにできてるんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1713355268156-lzCfBCY4Ab.png?width=1200)
これは神様が創ったこの世界や自然は複雑でとても美しいことを表現しているそうです。
また、砂漠の民であるイスラム教徒にとって「水」はとても大切なもの。
実際、アルハンブラ宮殿には噴水や池のある庭がいたるところに配置されています。
水と緑、白い壁、そして花の彩り。
![](https://assets.st-note.com/img/1713355288927-Qc2HkzJTjf.png?width=1200)
これらが美しく調和した庭園は、天上の楽園、つまり天国を表しているんだとか。
要するに、アラベスクにしろ鍾乳石にしろ庭園にしろ、全てはイスラム世界の美しさを表現するためのもの。
その磨き上げられた技巧で、宗教も時空も超えて人々を魅了するんだから素晴らしいものですよね。
現地に行った私の記憶の9割はスリ
と、アルハンブラ宮殿の美しさを思う存分語ったところで、最後にサクッとタイトルの伏線回収をしておきます。
これだけアルハンブラ宮殿は美しいとか、アラベスク文様が大好きなんだとか言ってる私ですが、
グラナダとか、アルハンブラという単語を耳にするたび、真っ先に思い浮かぶのは自らがスられかけた風景です。
悲しすぎる。
というのもね、アルハンブラ宮殿を観光し終わって、その周辺の街をぶらついていたときに、ふとヨーロッパ系のカップルから話しかけられたんです。
「アルハンブラ宮殿ってどう行けばいいの?」と、地図を広げながら。
でも「どことなくスペイン人感があるし、そっちのほうが詳しいのでは?」「てかあっちにアルハンブラ宮殿見えてるんだけどな…まあ見えてても道が分かんないことはあるか」と、
若干不審に思いつつも一緒に地図を見ながら、指さしながら説明。でもやっぱりどこかうわの空な相槌しか返ってこない。
し、説明し終わってもなかなか解放してくれない。
おかしい、と不信感ゲージが溜まった瞬間気づいたんです。
広げた地図に隠れて、私のカバンをごそごそ探っていることに。
「ちょっと!」とすぐ離れたことで(というかスリ自体下手だった気もするけど)、幸いパスポートや財布など中身はすべて無事。
でもそれ以上に、ひとり旅の間は警戒してたのに、その時は友だちと合流していたのもあって気が緩んでいたこと、
それに不審に思いつつも、困ってる旅行者らしき姿が、それまでの自分と重なったから力になりたかったのに裏切られたこと。
いろんな感情がごちゃまぜになって、何も盗られてないとはいえ、めちゃくちゃへこんだのです。
だからアルハンブラ宮殿の美しさより、その強すぎる記憶が先に出てくるわけ…
あと、その後に入ったバルで、あまりに落ち込む私に「好きなだけ食べなよ」と友だちがたっぷり頼んでくれた生ハムも思い出します。
スペインに限らず、海外に行くときはみなさんほんと気をつけてくださいね。
マジで日本の平和っぷりのほうがバグってるんだから。
今日の世界遺産はコチラ
今日ご紹介したアルハンブラ宮殿も、もちろん世界遺産に登録されています。
宮殿の周辺に位置する、王族の避暑地「ヘネラリーフェ離宮」や、グラナダ最古の居住地「アルバイシン地区」も含めて登録されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1713355237111-qcIA38LABn.png?width=1200)
マドリードからだと高速鉄道で約4時間、バルセロナだと約6時間かかるのでこちらは飛行機がおすすめのようです。
意外と時間がかかるので、当時の私の場合は、グラナダだけでなく、セヴィーリャやミハス、フエンヒロラなどアンダルシア地方を一気に巡り、なんならモロッコのタンジェという街までついでに足をのばしました。
アンダルシアは、スペインのなかでもさらにTHEスペインってイメージの陽気な人たちがいて、
真っ白いお家が立ち並ぶ、物語の舞台に紛れ込んだかのような街並みもとても綺麗でした。
あと、何より食べものが安かった記憶がある。
バル自体サクッと安く食べれる場所ですが、たしかグラナダとかは、飲み物を1杯にタパスが2個くらいついてくるシステムがあったような気がする。
せんべろみたいな文化なんですかね。
おかげでスリ未遂でへこたれたメンタルもすぐ取り戻せたので、アンダルシア、おすすめです。(おすすめポイントのクセ…!)
ぜひみなさんも訪れてみてくださいね~~!
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\最後までお付き合い、ありがとベリーマッチ/
こんな感じで独断と偏見で「え、おもろ」と思った世界のいろんなことを記録してます。高校の世界史の授業中、ワクワクしながらノートを取っていたときと同じ気持ちでニヤニヤ綴っていきますので、よかったらスキやコメント、フォローしてもらえるとうれぴよです🐣
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