佐賀空港を利用してみた

九州本土の空港のうち佐賀空港だけまだ利用したことがなかったので、せっかくなので佐賀空港を利用してみた。他の空港発着の運賃と比較すると佐賀空港発着の運賃は少し安い。県から補助金が出ているのだろうか。航空会社は福岡空港と同じエリアの空港として扱っているようで、例えばANAのプレミアムクラスアップグレード料金は福岡空港と同額で、地方空港としてはかなり高額である。

飛行機の発着に合わせて佐賀駅から佐賀市営バスが出ている。駅から空港まで600円で、交通系電子マネーでの支払いも可能。現金払いも可能だが、ICカードの方が支払いが早い。空港行のバスには珍しく、空港以外のバス停相互間の利用もできる。いざ通ってみると平野のど真ん中の人家の少ない一般の路線バスでは採算の取りにくいエリアを通っているので一般の路線バスも兼ねているのだろう。佐賀駅から空港まで30分かかる。佐賀駅から30分あればJRの特急なら二日市に着いている。しかしそれでも佐賀駅から福岡空港までJRと地下鉄の乗り継ぎで1時間程度かかるのに対し、佐賀空港まではバスで30分なので佐賀からなら佐賀空港の方が近くて便利である。

空港の手前は一面の麦畑である。筑後川沿いの佐賀平野や筑紫平野には麦畑が多く、九州北部にうどん屋が多かったり麦焼酎や麦味噌が生産されているのもうなづける。うどんというと福岡が有名だが、佐賀にもうどん屋が多い。佐賀空港は海上空港ではないが、人の住まない麦畑の先にあるので海上空港と同様に深夜帯にも運用できる。そのため貨物便を誘致しているようだが、なかなかうまく行っていないようである。深夜の利用なら佐賀空港よりも北九州空港の方がいろいろ便利かもしれない。

空港は1998年開港だが乗客数の増加に合わせて増築されており、特にANAの旅客便の発着する搭乗口付近は増築された新しい建物なので設備が新しいし電源席が多い。旅客便では737やA320クラスの飛行機しか来ない空港なので乗降に時間がかからないし、離陸待ちもないので空港で無駄な時間を取られずに済む。便数に少ない空港なので誘導路はなく、滑走路の端まで移動してからターニングパッドで向きを変えて離陸する。空港の東側は柳川の市街地なのに対して西側は海なので、なるべく西側で離着陸しているようである。

佐賀空港では空港ターミナルビルの隣にレンタカーターミナルがあり、連絡バスで店舗に行かなくても空港から車に乗り降りできる。時間を節約できるし、バス移動の不確実性がないのでありがたい。中国地方の空港によくあるタイプだが九州では珍しい。福岡空港でレンタカーを借りようとしたら着率からレンタカーの出発まで1時間程度覚悟する必要があるが、佐賀空港なら15分程度で済む。レンタカーターミナルは2019年5月30日にできたばかりとのことで、第一貨物ターミナルビルからの転用とのこと。レンタカーを利用するには便利な空港だが、あいにく佐賀空港は主要道路から離れており、柳川までの直線距離は近いが道路で移動すると遠回りになるのでさほど近くない。それでも市街地の混雑とは無縁なので、福岡市内を車で移動するよりは楽である。将来有明海沿岸道路が開通すれば空港から鹿島方面や柳川方面への移動が便利になるかもしれない。

レンタカー利用の場合、返却前に満タン給油するが、空港周辺にはガソリンスタンドが無いので、概ね15km以内の場所で給油するよう求められる。ただし日曜祝日定休のガソリンスタンドもあるので、日曜朝に営業しているガソリンスタンドの数は限られる。

空港内の店舗は早朝から営業しているので早めに到着すればゆとりを持っておみやげを購入できる。ニッポンレンタカーは8時から、トヨタレンタカーとオリックスレンタカーは9時からなので、先におみやげを購入したり荷物を預けたりしてから返却手続をすると時間を有効に活用できる。

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