【詩】素直な尻尾
もう土に帰った愛犬が、記憶の中で吠える
混乱と葛藤で蹴散らした君との関係
お互い本音を話し合えないまま
会えなくなったしんどさ
そんな憂いを抱えるくらいなら、
君に「 本音を話せ」と吠える
「僕の名前の意味を思い出して」と、吠える
だけど、僕は君に拒絶されるのが怖い
また君に、軽蔑されるのが怖い
冷静になれないと思われるのが怖い
本当の君が悪いやつじゃないのを知ってるから
不器用だけど、根は優しいのを知ってるから
そんな君が愛おしいから
今更、本当の僕を見ても、
偏見は消えないことが怖い
君に敬遠されるのが怖い
嫌いな男どもより理性がないと
思われるのが怖い
そんな恐怖に怯える僕に、記憶の中にいる
子犬だった頃の愛犬が優しく尻尾を振る
「心配しなくても大丈夫」とでも言いたそうに