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観て損なし!Netflixドラマおすすめ!①(涼みたい方にオススメ編)

Netflixのオリジナルドラマはずっとアツい!

いま、動画配信サービス"Netflix"のオリジナルドラマがアツいことは、言うまでもない。
コロナ禍をきっかけにして、動画配信サービスの需要が急増。
お家時間を、テレビやスマートフォンの中に求める人が多くなり、
そこで根付いた習慣のようなものが、現在も地続きになっているようだ。
コロナ禍以降に配信され、社会現象化したドラマだけでも、
「愛の不時着」
「梨泰院クラス」
「イカゲーム」
「ウェンズデー」
「サンクチュアリ -聖域-」
「First Love 初恋」



挙げたらキリがない。
そして現在では、今年7月に、不動産詐欺を行う集団”地面師”に焦点を当て、実話を基に描かれたドラマ「地面師たち」が配信され、そのストーリーのリアルさと怖さ、キャラクターの面白さで配信から2ヶ月が経った今も、大きな話題となっている。今や、物語のキャラクターが「もうええでしょう」と言いたくなるくらい、愛され過ぎて、ネットミーム化までされている。
ハリソン中山、恐るべし…。
そして先週の配信直後から早くも話題になっている、女子プロレスラーたちの物語を描いた、こちらも実話の「極悪女王」も良作のようである。これから更にSNSを介してこの作品の話題性が高まっていきそうだ。

兎にも角にも、Netflixのドラマは軒並み面白く、話題性もバッチリというわけだが、Netflixのドラマが面白いのは、最近に限ったことではない。
ずーっと良作を生み続けているのだ。
そこで今回は、個人的に面白いと思ったドラマの中で、
ちょっと怖いサスペンス作品4本を、4回に渡って紹介する。
中には、驚きの実話を基にしたものもあり、見応え抜群!保証する!!
秋の夜長に是非!
(ちなみに4本に絞るのは至難の業であった…)

一気見必至!衝撃の実話 ドラマ「ザ・サーペント」の概要

今回紹介するのは2021年配信開始「ザ・サーペント」
見出しの通り、この作品は実際の事件から着想を得て作られたものだ。
あらすじは以下の通り。

1970年代、東南アジアのヒッピートレイルを訪れた旅行者らを次々と殺害した冷酷な殺人鬼シャルル・ソブラジ。衝撃の実話から着想を得たリミテッドシリーズ。

Netflix公式

主人公シャルル・ソブラジは、息を吐くように嘘を吐く。
名前も職業も、何でもありだ。
そんなサイコパス男の目的はただ一つ。旅人を殺すこと。
彼は出会った旅人の懐に飛び込んで信用を得ては、次々と殺害していく。
そしてその旅人の金品を奪い、パスポートに細工をして、また次の地へ旅立つ。

本作は、イントロからしてなんとも不気味である。
観る人によっては、イントロの時点でグッと作品に惹き込まれるだろう。
大体1話につき1〜2人を殺害していく。その淡々とした描写が、彼の冷酷さを見事に表している。(殺害する際の直接的な描写はないのでご安心を)
彼にはパートナーがいる。美しい彼女の名はマリー。
シャルル・ソブラジに心酔する彼女もまた、その殺害計画に加担しているのだ。
2人は、手を繋ぎ、笑い合い、そして人を殺す。

マリーとシャルル

一方、ある大使館職員・ハーマンが、「消えた旅人たち」に違和感を覚え始める。
例えば、「旅先から手紙を送る」と言い残して旅立った旅人の家族が、
本人から一度も手紙が届かない、と大使館に連絡を入れる。
シャルルが旅人を殺害し、消えた旅人たちが増えれば増えるほど、
最初は家族の思い過ごしだろうとされた情報は現実味を増し、疑惑は深まる。
大使館職員とその妻・アンジェラは、独自に行方不明となった旅人たちの捜査を始め、次第にシャルルに近づいていく…。

ハーマンとアンジェラ

シャルルの計画は、どこで綻びを見せ始めるのか。
そして、ハーマンたちの運命や如何に・・・

ただのサイコ作品ではない キャラクターの心情を観る

この作品の面白さは、軽快なテンポの良さにある。
シャルルたちが殺害を行う〈過去〉のシーンと、
ハーマンたちが捜査を行う〈現在〉のシーンとが交互に行き来する構成になっているが、過去・現在とでは映像の雰囲気がガラリと変わること、切り替わると都度〈2ヶ月前〉などと表示されることもあり分かりやすく、混乱することはない。
この2つの時間軸がテンポ良く展開され、次の時間軸に切り替わる前に
必ず1度は物語が大きく進行するため、中弛みもない。

そして、なんと言ってもキャラクターたちが魅力的である。
シャルルが冷酷非道なサイコパス男であることは言うまでもないのだが、
彼がそこまでに至った経緯の大枠が、彼の発する言葉から度々感じ取られる。
人種差別に対する独自の見解や人の見方、人生の価値観が彼の背景を想像させる。
さらに、やはりすんなりと旅人の懐に入るだけあって、魅力的な人間だ。
容姿が特別良いわけではないが、話し方やその切り口に惹かれる。
私たちはあくまでこの作品を、第三者目線で観ることになるので、
「なんでこんな男に騙されるんだ」と不思議に思うかもしれないが、
実際に見知らぬ地で彼のような人と出会って、言葉を交わしたらどうだろうかと、想像しながら観てみてほしい。彼に対する見方が、少し変わるかもしれない。

パートナーのマリーの哀愁も、魅力的だ。
彼女はシャルルのパートナーでありながら、彼に騙された人間の一人なのだと思う。殺されているか、いないかだけの違いだ。
そして彼女はシャルルのようなサイコパスではなく、元々は一般人だった(と思われる)ので、彼のように割り切った悪にはなりきれないのだ。
シャルルに嫌われたくない、捨てられたくないという考えの一方で、こんなことをやり続けて良い訳がないという考えも持っているようだった。
その2つの感情の狭間で葛藤している様が、度々映し出されるので苦しい。
そんなマリーを演じた俳優、ジェナ・コールマンの演技が最高だ。
彼女の瞳でする演技が素晴らしかった。揺れ動く思いや葛藤を、見事に瞳に宿していた。

マリーは衣装も素敵!

シャルルとマリー以外の登場人物たちも、漏れなく魅力的だった。
行方不明の旅人を、自身の正義に忠実に捜索する若き大使館職員のハーマン。
そして彼を心配しながらも、信じてサポートするアンジェラ。
作品後半、ハーマンたちの捜査に協力することになる、2人と同じアパートに住む夫婦。
彼らの心情の変化や想いもきちんと映像に映し出したうえで、それらがシャルルの狂気をより引き立たせる。
なんともバランスの良い作品であった。

最後に 犠牲となった旅人たちを想う

ここまで、「ザ・サーペント」の良作ぶりを語ってきたが、
このドラマはとにかく背筋の凍る、ゾッとする作品だ。
物語の構成も、キャラクターも素晴らしいが、
やはり事実は小説より奇なりである。今から約50年前、このような事件が実際に起きていたということが、何よりこの作品の恐ろしさを伝え、物語に惹き込ませる要因になっていると考える。
この事件で犠牲となった旅人たちの無念を思わずにはいられない。


1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。

映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。

MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
コミュニケーションが好きで、明朗快活な性格であるが、
文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。(明るい文章もお任せあれ!)

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