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イグnote創作大賞 ⇑くだらないエッセイ⇑

 私のくだらないエッセイを読んでやろうと思って、こちらにアクセスしてくれたあなたならご存じであろう、「人々を笑わせ考えさせた研究」に与えられるイグノーベル賞のことを。ノーベル賞のパロディなのだが、ノーベル賞と同じく、文学賞もあるのだ。

 注目すべき受賞がたくさんある。
 2016年の文学賞は、死んだハエや、まだ死んでいないハエを収集するよろこびを描いたフレドリック・シェーベリの三巻におよぶ自叙伝に対して贈られた。
 なんとも文学的な香りがする。

 2006年には、ダニエル・オッペンハイマーのレポート『必要性と無関係に使用される博学な専門的用語が導く結末:不必要に長い単語を使うことにおける問題』に贈られた。
 書き方・話し方の入門書では、難しすぎる言葉を使うことは避けるよう薦めているにもかかわらず、大学生の多くは自らを知性的に見せるために複雑な語彙の使用を増やしている。これは複雑な語彙を使用することが本当に知性的に見えるかどうかの実験を行ったレポート。
 note利用者の私たちも、これからは「自らを知性的に見せるために複雑な語彙の使用を増やしていないか」をセルフチェックしながら、緊張感を持って執筆に取り組まなければならない。

 こんな論文も受賞している。
 1995年。デイヴィッド・B・ブッシュ、ジェイムズ・R・スターリング共著の論文『直腸の異物:事例報告と世界の文献の総説』。
 肛門から直腸に異物を挿入して取れなくなった事例に関する研究で、「7つの電球、ナイフの砥石、2つの懐中電灯、ばね、かぎタバコ入れ、ポテト・ストッパーのついたオイル缶、11個の異なる種類の果物や野菜や食べ物、宝石職人用のこぎり、凍ったブタのしっぽ、ブリキのカップ、ビールグラス」が異物として入っていた。
 なぜそんな物が肛門に入ってしまったのか? または、なぜ入れてみようと思ったのか? 私の好奇心が強烈に引き寄せられる。

 問題は、次の2つの受賞だ。
 2009年。『アイルランド国内で頻繁に交通違反を繰り返した乱暴なドライバーであるプラヴォ・ヤズディに対して50回以上違反切符を書き続けたこと』に対して贈られた。ちなみにプラヴォ・ヤズディ (Prawo Jazdy) は、ポーランド語で運転免許証のこと。それを人名と誤認して、アイルランド警察は違反切符を切り続ける失態を犯した。
 2012年。アメリカ合衆国政府監査院が『報告書についての報告書についての報告書についての報告書の準備を奨励する報告書についての報告書についての報告書を発行したこと』に対して贈られた。
 これらはもはや、作品ですらない。単なる「ばかばかしい出来事」じゃないか!

 ここまで書いて、言いたいことを思い出した。来年の note 創作大賞から『Ig note 部門』を創設してほしい。
 ところがこれには問題があるだろう。こんな審査をできる、ジョークの分かる審査員が存在するのか? ということだ。もし審査員候補がいなければ私が手を挙げようかと思うが、どうだろう?

◆引用URL
wikipedia『イグノーベル賞受賞者の一覧』
https://ja.wikipedia.org/wiki/イグノーベル賞受賞者の一覧


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