男の恋バナ「3つのing」 ⇑くだらないエッセイ⇑
ふと、学生の頃を思い出した。
新歓(新入生歓迎シーズン)が近付く春頃、おぼろ月夜で、草の息吹と土の匂いが香ってくる頃になると、なにかこう、じっとしていられなくなる。そんなときは、夜な夜な、男友達のアパートをハシゴしたものだ。
部屋の明かりが消えていればスルーする。灯っていれば、ピンポーンと押して、ドアが開いたら有無を言わさず上がり込む。
「おっ、いいのがあるじゃん」
と言いながら、そいつの酒を勝手に飲み始める。しばらくすると、誰かがやってくる。またひとり、またひとりと、私と同じようなどうしようもない連中が集まってくる。そして恋バナが始まる。
どうすればあの子と付き合えるのか?
どうすれば落とせるのか?
告白するときのデートの場所はどこがいいか?
プレゼントは何がいいか?
どういうシチュエーションで告るのが効果的か?
話は尽きない。ある野郎が、
「恋には3つの “ing” がある」
と言っていた。
まず最初に、大切なのは相性や共通の趣味。つまり「feeling」が合えば、恋が実る可能性は高い。一緒に居て楽しくなるはずだから。
たとえば、お互いに和食が好きということが分かって、それではランチを食べに行こうというときに、こちらが「うどんが食べたい」と思っているのに、相手が「うどんは昨日食べた」となれば、恋はなかなか発展しない。「feeling」が合うだけでは駄目なのだ。つまり、恋が発展するかどうかは「timing」の合う回数が多いかどうかにかかっている。
「feeling」も合い、「timing」も合っているのに、なかなか決定的な関係になれないということがある。何かが足りないのだ。それは3つめの “ing” 、「happening」だ。モテるヤツは、ここぞというときに、意図的に「happening」を起こす。
男は、「feeling」「timing」「happening」を意図的に発動させることができなければならない。つまり3つの “ing” とは、男が身に付けるべきスキルなのだ。
というような話に、毎晩、花を咲かせたものだ。なんとくだらない野郎どもかと思う。