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これは気になる ⇑くだらないエッセイ⇑

 これはくだらなさすぎると、自分で書いていて思う。
 「冷やし中華まん」ときた。しかも、冷やし中華と間違われないように「まん」を強調している。これは気になる。まずはキャッチコピーで「おやっ?」と注目してもらうことに成功している。宣伝手法の好事例といえるだろう。

 「冷やし中華」というのは、みなさんご存じの通り、茹でた中華麺を冷水で締めて冷やした日本の麺料理。キュウリやトマトなどの夏野菜、叉焼や金華ハム、錦糸卵、茹でモヤシなどの具材を麺にのせて、冷たい酢醤油、胡麻だれ、味噌だれなどをかけて食べる。白、赤、緑、黄など、いろどり豊かで食欲がそそられる夏の定番メニューだ。
 ウィキペディアによると、発祥は仙台市青葉区錦町の中華料理店「龍亭」。冷房が無かった当時、中華料理店では夏の売り上げ低下が深刻だったので、夏用のメニューを考案したのが最初だという。今では中華料理店だけではなく、一般の食堂や喫茶店などでも提供されていたりする。
「冷やし中華はじめました」
という幟やポップを見かけると「今年も夏が来たなあ」としみじみ思う。
 この「はじめました」の文言は、おそらく考案当初は、
「冷やし中華という新商品をはじめました」
という意味だったのではないかと思われる。冷やし中華が一般に認知されるようになると、
「いよいよ夏ですね。今年は記録的な猛暑になるそうです。美味しい冷やし中華を食べて、夏を乗り切りましょう。当店の冷やし中華は絶品ですから、ぜひ食べて行ってください」
というメッセージとして受け止められるようになった。

 夏らしいイメージを出すために、通常は文字の色を変えたり、イラストを入れたりする。

 どうだろう、冷えてる感が出ていいじゃないか。
 どんな中華まんなのか、気になる。最近の中華まんには、定番の肉まん、あんまん、の他にも、ピザまん、カレーまんなどがある。肉まんには通常、牛肉が入っているが、豚肉が入っているのを豚まんという。鶏肉を入れた鶏まんとか、ジビエ肉を使ったジビエまんというのは見たことがないが、あったら食べてみたい。これはペンギンの肉が入っているのか?
 とにかく、アツアツで食べるから美味しい中華まんを、わざわざ冷やして食べるのだ。実にばかばかしい。

 試しに、もう少し色を付けてみるとどうか?

 これだと、中華まんの具が冷やし中華になる。どんな味がするのか、気になる。
 コンビニのレジ横にこのポップを掲げてみたら、客がどういう反応をするのか、気になる。家族みんなで食べて、あーだこーだと、味の感想を話すことが出来る。冷え切った家族関係がアツアツになること間違いなし。コミュニケーションを活性化する商品として成功する好事例といえるだろう。


 子どもがいる家族には、こんな商品はどうだろう?


 おもちゃ屋の店頭に掲げれば、少子化でおもちゃ販売が伸びない現状を打破する可能性がある。漫画化やアニメ化も検討するべきだ。

 この場合の「はじめました」という宣言は実にミステリアスだ。いったい、なにをはじめるというのだ? 気になる。


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