3人で観ること
先日、おデートに行きました。
そのおデートは、3人でした。
お相手は、如月桃子さんとバクゼンさんです。
ちなみに、リアルでも桃ちゃん、バクゼンさんと呼んでいます。
夫からは、「ピリカさんがとかinfocusさんがとか言って話すの怪しいからね」と釘を刺されていますが、案の定です。
桃ちゃんが働く美術館に、バクゼンさんと一緒に行く。これは私が2024にしたいことの一つでした。
元々、美術鑑賞の知識も興味も経験も皆無で48年生きてきてしまいました。
ただ、noteで出会えた大好きな桃ちゃんが、命を傾ける芸術というものを体感したいな。というのと、大好きなバクゼンさんと桃ちゃんを会わせたいという謎の使命感が私に生まれました。それを余計なお世話と言われたらそれまで。どうか、やかせてください。
そんなわけで、私とバクゼンさんは新幹線で桃ちゃんの住む街へ。
車内であまりにおしゃべりが盛り上がり、「やばい、降りる駅を通り過ぎやしないか!」と途中気を引き締めました。
桃ちゃんが、駅まで愛車をくりだして迎えにきてくれました。ここが地元ではないとは思えないスマートドライビングで、職場である美術館に案内してくれました。
そこは、空気の澄んだ広い公園にありました。
私は桃ちゃんのお母さんのような気持ちで、その環境に安心しました。建物に入る前から、ああ、よかった、桃ちゃんはなんて素敵なところで働いているんでしょう。と嬉しくなるような場所でした。
段取りの良い桃ちゃんはチケットも準備していてくれて、私とバクゼンさんはお邪魔しました。
桃ちゃんと働く職場の人に、できるだけ感じよく思われたいとにこにこしました。愛想がよいことだけで生きてきました。愛想にしか自信がありません。全力で振り切りました。
桃ちゃんがお世話になっている方々は、一様に温かい雰囲気を醸し出していました。それにまた妄想お母さんなので、感謝と敬意が伝わりますようにとにこやかに頭を下げました。
美術館でこれほどじっくり、作品を観たのは初めてでした。紹介を読み、時代を知り、作風を学び、作品に向き合う。
隣に専門家がいるので、鑑賞のための知識や作品や作者についても、紹介してくれます。
安土桃山時代の作品や中国、元の時代の作品もありました。
そんな私からしたら歴史の教科書の時代の人も花を見て鳥を見ていた。当たり前ですが、美しいと感じる心や、流れる雲や風に大きな変わりはないんだなと思いました。
徐々に現代に近づくにつれ、華やかになる色彩や、表現の幅が広がり、形式にとらわれないユーモアなどが垣間見られると、それにも心踊りました。
いつの時代も、人を楽しませたい、喜ばせたい、今、見える景色を残したいという欲求は人を突き動かして創作が生まれているのだと感じました。
そして、この作品が私の目の前にあるということは、この作品を守ってきた連綿があるということを表しています。
人から人へ、この作品を繋いできた人の熱意。
描いた人はまさかこれほどまで遠い未来に、自分の作品が残り、誰かの心を揺さぶるなんて思いもしなかったのではないか。と素直にそう思い、そのことに感動しました。
作品の裏にある人の営みや思い。作品を想う人の息遣い。
それに想いを馳せることで、なんだか高尚で縁遠かった芸術が、少しご近所になったような気がしました。
また、画家や芸術家は、キラキラネームだね。と思いました。若沖とか応挙とか北斎とかオシャレ。俗物の戯言ですんで、お気になさらず。
隣にいるのが、桃ちゃんとバクゼンさんなので
肩肘を張らずに楽しめました。
何も知らないことを恥ずかしがらずに、等身大で味わうことができました。
桃ちゃんもバクゼンさんも楽しそうで、だからこそリラックスできました。
現代美術も鑑賞しましたが、桃ちゃんからここを訪れた子供達の感想や好きな絵の話を聞きました。あっと驚くような視点や、感性に、心が屈伸する気持ちになりました。
小さい時にこうした芸術に触れる機会を持たせてあげると、また新しい子供達の一面にであえるのかもしれませんね!
芸術の秋の次は食欲の秋!ということで、ランチはパスタを。
お店のお兄さんが、みんなお揃いのイケメンで、区別がつかない。若い子がみんな素敵に見える年頃です。
ランチの後は街ブラ。おすすめのパン屋さんでお土産を買って、雑貨屋さんでそれぞれに欲しいものをゲット。
〆にカフェへ。店員さんはハロウィンのためアンティークのワンピースを着ていました。1人背が高く、ボーイッシュな女性店員さんがいらして、彼女はもしかしたら、このコスチュームに納得していないかも。と妄想しました。
ただ彼女はすごく丁寧にコーヒー淹れていて、
このお店の提供するケーキやコーヒーを愛しているのが漏れてしまっていて、なんだか勝手に応援したくなりました。
ケーキもコーヒーも美味しい。3人の時間も美味しい。年齢もバラバラだけど、やっぱり友達としかいいようがありませんでした。
バイバイの時、桃ちゃんの細い指に触れた私のむっくりした指先。重なるはずはなかったのにね。noteを書いていて、こんなぬくもりに出会ったんだね。
また会おうね、ありがとう。
帰りの新幹線は混んでいて、バクゼンさんと立ちながら帰りました。
バクゼンさんがいなければ、こんなことは思い立たなかったでしょう。
私の動機になってくださりありがとう。
3人で観ること。
3人だからいろんなものが観れました。