SmartHRのバックオフィス 2022【後編】
こんにちは!SmartHRの南石(@nanseki_o)です。主に採用広報を担当しています。
これは、SmartHRのバックオフィスを紹介するインタビュー記事【後編】です。前編は以下よりぜひご覧ください!(前編では、経理、法務、コーポレートOps/内部監査)のご紹介をしています)
SmartHR バックオフィスの組織体制と本記事の対象
前編をご覧いただいた方には二度目ましての図となりますが、SmartHRのバックオフィスは現在、以下のような体制になっております。今回は CFO直下グループと、ファイナンスグループに関する内容をお届けします!
はじめに:企業活動におけるお金の流れと各部署の担当領域
一口に“経営企画”と言っても、その定義は企業によってまちまちです。
SmartHRの場合、「経営企画ユニット」がファイナンスグループに存在していることが特徴の1つです。
“ファイナンス”とは即ち「会社が事業のために外部から資金を調達すること」ですが、SmartHRにおける「お金の流れと各部署の担当領域」は以下のように図示できます。図の内容を頭の片隅に置いて本記事に目を通していただくと、各部署の役割をよりイメージいただきやすいかと思います!
今回インタビューを行った3名の紹介
経営企画ユニットについて
─はじめに治さんにお話を伺います!早速ですが、経営企画ユニットの役割を教えてください。
治:まず、ファイナンスグループでは「経営資源の調達・管理・最適分配の仕組み構築」を注力テーマの1つに置いています。これは「はじめに」に記載した”企業活動におけるお金の流れ”の②③に繋がります。経営企画ユニットの具体的な取り組みは多岐にわたりますが、列挙すると以下のような活動です。
─経営企画ユニットでは昨年もnoteを出していましたが、そこから組織的な変化はありましたか?
治:体制自体の大きな変化はありませんが、活動は進化しています。経営企画ユニットには大きく分けて、経営「管理」と「企画」の2つの業務があります。まずは管理業務を整えることからスタートしましたが、企画業務にもリソースを割けるようになってきたのは昨年から進化した点です。
また、2022年1月にCEO直下に「社長室」が誕生し、事業戦略に関わる議論を推進する専任者を確保できたことも経営としては大きな変化です。
─では、いまの経営企画ユニットにはどんな課題がありますか?
治:中長期を見据えた戦略議論を2022年から本格的にスタートしており、その議論を行う過程で大きく2つの課題が生まれています。1つは、継続的な成長に向けて検討すべきことが単純に増えていること。もう1つは、求められる業務レベルが上がり、既存メンバーの知識や経験だけでは解決が難しい問題も生まれつつあることです。
SmartHRグループが目指す中長期的な成長を実現するためには、自社リソースだけでなく社外との連携がますます重要になります。また、SmartHR自体の急拡大に加えて、グループ会社の事業も多岐にわたるため、解くべき課題の「量」と「質」の両方が増している感覚があります。日々学びながら切り拓いていく必要性を感じていますが、逆にそこが業務の面白さですね。
財務企画ユニットについて
─続いて森さんに質問です!財務企画ユニットの人員構成と役割を教えてください。
森:財務企画ユニットには3名の社員がいます。ざっくり分けると、株式での資金調達を担当する人が2名、借入による資金調達を担当する人が1名という構成です。現在は、私を含めた3名全員が他部署と兼務をしている状況です。ユニットの役割は、「資金を適切な手法・タイミングで十分な量を獲得すること」で、これを軸にミッションを策定しています。
─財務企画ユニットの今期の注力ポイントは?
森:2022年の注力ポイントは主に以下の4点です。
いずれも中長期の成長を見据えたテーマになっていて、その背景にはSmartHRの事業状況があります。
これまでSmartHRは、人事・労務という1つの領域で事業を展開してきました。今後は、人材マネジメント領域への事業拡大やグループ会社の設立・拡大、M&Aによる新規領域への進出など中長期的な成長のための非連続的なアクションが増えてくることが想定されます。事業戦略の複雑性が増す中で、資金面でボトルネックを生まないことを意識しており、そのための中長期的な財務・調達戦略が重要になってきます。
─経営企画ユニットと同様に“中長期に向けた戦略”がキーワードになりそうですね。
森:これまでもユニット間で情報共有を行いながら業務を進めてきましたが、バックオフィス内での意識的な連携強化はますます必要だと思います。
また、専任者を増やす必要も感じています。
IRはより多くの投資家に会社について知ってもらうことが重要で「一定の活動量を確保すること」は必須です。現状、2名のリソースを最大限に活用していますが、人が増えることで活動量も幅も大きく変わってきます。また先ほどもお伝えした通り、財務企画ユニットは全員が兼務体制ということもあり、IR活動の更なるドライブに向けて専任者を置きたいですね。
カンパニーセクレタリーユニットについて
─最後に横溝さんにお話を伺います!まず、カンパニーセクレタリーユニットの成り立ちや人員構成について教えていただけますか?
横溝:カンパニーセクレタリーユニットは、ガバナンス関連業務が増えてきたことを機に、2021年1月に、私と森さんと時田さん(インタビュー前編に登場)の3名全員兼務体制でスタートしました。その後、SmartHRを監査等委員会設置会社にするなど様々な方針が決定しプロジェクトが動く中で専任者が必要になり、2021年11月に専任者を1名採用しました。現在は、私と森さんを含めた3名の組織です。
─業務内容や今期の注力テーマについても教えてください。
横溝:私たちの業務は、ルーティン業務とその他の業務に大きく分けられます。
カンパニーセクレタリーユニットが発足して1年が経ち、戦略ややるべきことが明確になってきました。今期は「ガバナンス体制の構築・強化」と「執行の強化」の2点に特に注力したいと考えています。
─事業成長や組織拡大に伴って、ガバナンスの強化は確かに必要ですよね。「執行の強化」についてもう少し教えてください。
横溝:ガバナンスの強化と一口に言っても、形式的なものではなく“SmartHRらしい”ガバナンス方針を立案・実行していきたいと考えています。
ガバナンスの進化(深化)に伴って「監督」と「執行」の分離は進みますが、その時に“SmartHRらしさ”を実現するポイントは「執行の強化」にあると考えています。執行チームが企画力とスピード感を持って活動してこそ、現場からアイデアが上がり続けるボトムアップな仕組みや、それを事業に落とし込むスピード、ひいては“何度も大きなチャレンジができる組織作り”が実現すると考えています。
私たちがガバナンスを強化する意味については、下記の記事もぜひご覧いただければと思います。
キャリアについて(経歴・入社の経緯)
─皆さんのキャリアについても伺いたいです!SmartHRに入社するまでの経歴を教えてください。
治:私は、SmartHRに入社するまでに2社経験しています。新卒で入社した証券会社では、M&Aアドバイザリーの投資銀行業務に従事していました。約5年間の勤務を経て、外資系の総合コンサルティングファームに転職しています。証券会社時代はクライアントワークがメインだったのですが、社内の意思決定に携わりたい思いが強くなり、ファイナンス部門のCDTS(Corporate Development & Transaction Services)というチームで様々な案件に携わらせていただきました。
森:私は、新卒入社した上場IT企業で約4年勤務しました。映画『マネーショート(華麗なる大逆転)』をきっかけに金融の世界に興味を持ち、当時の配属アンケートで希望を出してファイナンス部・IR室に配属となりました。IR業務を3年間担当した後、事業開発部に異動になりました。異動先では、主にM&A案件やアライアンス案件の推進に従事していました。
横溝:私は新卒で建設関係の技術者アウトソーシングを行う会社に入社して、約12年勤務していました。現場管理を約1年、総務を約1年経験し、その後10年ほどIRを担当しました。当時、IRの知識や経験はありませんでしたが、会社としてもIRに力を入れたいタイミングだったこともあり、独学で勉強しながら色々な経験をさせていただきましたね。
─そこからどういった経緯でSmartHRに?
治:私は、日系→外資と変化しつつも大企業でのキャリアだったのですが、次は逆張りでスタートアップに行きたいなと漠然と思っていました。前職の経験からテクノロジー領域には興味を持っていたので、いくつかの企業を受けていて。最終的には事業ドメインや職種、会社フェーズを重視して、SmartHRを選びました。
森:実は、私は転職活動自体はしていませんでした。前職に不満はなかったですし、IRをやる上でここ以上に面白い会社はないかもしれないと思っていました。ただSmarHRの話を聞いて、IR活動への認識が大きく変わりました。それまで、IRは決算発表等の決まったルーティーンに沿って行うものという認識で、普段のIR活動とその先の資金調達や事業戦略を結びつけて考えられていませんでした。「未上場のスタートアップ企業で資金調達前提のIR活動を立ち上げる」というゼロイチの機会はそうそうないので面白そうだと感じ転職を決めました。
横溝:IR業務をする中で、IRは「会社そのものを売り込むセールス」だと考えるようになったんです。それなら、やっぱり愛せるものを売りたいなと。SmartHRはエージェントとの面談で「できることなら私が入りたいくらいです!」と紹介されて「社外からも愛されている会社だ」と思って興味を持ちました(笑)。東証一部上場企業も選択肢にあったのですが、プロダクト自体の魅力と、外部に発信されているたくさんのブログや記事を読んで、未来を想像した時に面白そうだなという思いが上回り、わりと即決しました。あと、その時期に読んだ『転職の思考法』という本には影響を受けましたね。
─入社後に感じた良さやギャップがあれば教えてください。
治:対外的な発信が多い会社なので、そのままという印象でしたね。入社してすぐに大型の資金調達の検討がなされていたり、新会社の設立があったりしたので、色々走っているなと驚きました。あとは、スタートアップってもっとカオスかと思っていたのですが、思ったよりちゃんとしているなと(笑)。
森:私もギャップは特になかったですね。いいなと思ったのは、情報がオープンになっているため、社内調整コストや情報収集コストがほとんどかからないことです。そのお陰で、エネルギーのほぼ100%を投資家とのコミュニケーションに充てることができています。
横溝:同じくオープンさは想像以上でした。あとは、長時間労働じゃないというのは、なんとなくイメージしていたスタートアップとのいいギャップでしたね。想像以上に働きやすい会社です。
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前編・後編とお付き合いいただきありがとうございました。
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