今年の東京ゲームショーを体験して
iPadで原稿を書いて見ることにする。もうこのレベルまで行けば、PCと変わらなくなってきてる気がするなぁ。
さて、今年のTGS。物理的には、業者とインフルエンサー枠など一部営業活動的な部分は、オフラインで、一般はオンラインでというハイブリッド開催となった訳だが、私は業界人ではないので、一般枠での参加である。
オンライン開催の他のイベントで感じていたのだが、まず感じるのは、イベントに参加する気分というのか盛り上がりというのか、そういうのが全くないということだ。
例えば、NHK技研公開。2年ほどオンライン開催しているが、特設ウェブサイトを見に行くというスタイルなので、普段からウェブサイトにおいておけばいいんじゃないの。と思ってしまう。ライブでというのもあるが、今度はその時間にアクセスしに行くというのが面倒に感じてしまう。(笑)
この矛盾した感覚を、割とうまく消化できている感じがするのが、今回のTGSオンラインではないかと思う。
何故なら、今回のTGSオンラインは、xamberというVRのシステムを使っている。これは、Oculus Questのアプリとして起動するようになっているので、HMD被ってアプリを起動するという手順を踏むからだ。
普通にウェブサイトもあるのだが、こちらはまぁ従来通りのカタログセットと動画の集まりである。気になるところは、このサイトで中身を確認すればいいと思うが、上で書いたように、別にイベント出なくてもいつでも見られるようにすればいい。
そこでVRアプリである。VRアプリでは、会場に参加するマインドセットが醸成されるし、中で動いて各ブースを周るという体験も得られる。また、地味に他の人がアバターとして存在しているので、孤独に見ている感覚も、多少減らすことができていると思う。知り合いと一緒に行くというのも可能だ。音声も共有できるので、さらに一緒に行っている感覚が得られると思う。
また、会場で映像を見るなどをすることで、かけらが集められるというのもゲームになっていて、面白いと思う。これは別にゲームショーだからというわけではなく、スタンプラリー的なものと考えれば、他のイベントでも使えるのではないだろうか。
今、サイトを見たら33万8000くらいかけらが集まっていた。
ということで、割とこれからのハイブリットイベントのテストケースとして成功しているのではないかと感じたのだが、いくつか不満点もある。
まず、一番残念に感じたのは、サイトとの連携でもあるので致し方ないのかもしれないが、展示物の映像以外のコンテンツはブラウザに飛ぶ仕様になっていることだ。つまりアプリは一旦終了して、Oculusのブラウザに飛び、見終わったらまたアプリを再起動しなければならないということだ。解像度の問題はあると思うが、VR空間内でブラウザが見たかった。
ショップなども同様だ。これらも販売サイトへのリンクなので、アプリから出てしまう。この中断が体感的に興醒めするのだ。ここがVR空間内で完結させられることが次のブレークスルーかなと思われる。
また、ゲームフロートスカイにあったNTTのブースで、会員登録を必要とするコーナーがあったのだが、これもブラウザで使った方がむしろ快適であった。物品買ったらアマゾンい飛ぶので、これもある程度しょうがないかなと思うのだが。これこそVR内で完結できれば。
VR内で説明されても、メモも取れないし、何かするにもHMD脱がないといけないしという、辛い。
また、これらが改善されたとしても、オフラインで開催されているブースも必要となるとコスト面でも心配はある。一般参加がない分規模を小さくは出来るかもしれないが、それにしてもブースの設備費用、人員のコストは、あまり変わらないように思う。これにオンラインコンテンツが加わるとなると、どちらも費用を削られそうなのが懸念される。今は特殊な社会環境なので、オンラインがトライされているが、これがそこまで必須ではなくなってきた時、またオンラインは不要となってしまわないか。
結局イベントに何を求めるのか?それにかけるコストはどのくらいまで可能なのか?ということになってしまうのだが、オンラインでのイベントの進化が今後も続くことを祈っている。