今年初のヤングコーンを食べる
ヤングコーン。ベビーコーンとも。
間引きしたトウモロコシの雌穂(しすい)であり、パック品や水煮などが流通、中華料理の具材としてよく見かけるが、皮付きの新鮮品はなかなかない。
たまたま皮付きヤングコーンを定期的に仕入れているお店が近くにあり、見かけたらほぼ買って食べている。流通は、初夏から盛夏ごろまでか。価格は5本で200円前後ほどだが、変動しやすい。
スーパーマーケットなどでもときどき入荷しているのを見かけるが、定番品ではない。食品としての「アシ」が速い、すなわち、出荷して二日ほどしか鮮度が維持できないので、それもひとつの理由であろう。
ひょっとすると、食べ方がよく分からない、馴染みがないなどの理由で、消費者から敬遠され、売りにくいのかもしれない。参考までに、簡単な食べ方をメモ。
まずトウモロコシを包む葉っぱ(包葉、ほうよう)を軽く剥ぎ取り、先端を切り取って棄てる。ヒゲ、すなわち、雌しべ(絹糸、けんし)はまだ青い。
切断面には、青い絹糸が揃っているのがわかる。
そのまま、包葉ごと、グリルで表面に軽く焦げ目ができるまで、中火焼きする。火力にもよるが5〜8分ほどもあればよいか。しっかり焼くほうが良さそうだ。トウモロコシの焦げるよい香りがする。
すこし冷めたら、包葉を割って「ヒゲごと食べる」。
このヒゲがうまい。水煮やむき身では食べられない。
トウモロコシのヒゲを乾燥させたものは、玉米鬚(ぎょくべいしゅ)と呼ばれる生薬であり、カリウム含有量が多く、利尿・利水剤として用いられるらしい(きちんとした食品分析のデータなどは確認していない)。生薬では乾燥させるなど材料の処理によって効果が変わったりすることもあるが、カリウムによる効果であるならば、ナマと乾燥物でおそらく大きな違いはないだろう。
まあ単純にヒゲはうまいのでおすすめ。包葉のほうについたヒゲもしっかり食べられる。
「丸焼き」以外にも、蒸し焼き、茹でるなどの調理方法があるが、丸焼きがいちばん簡単。もちろん、焼いたあと他の料理にも使える。ちょっとしたおやつにもよい。
とにかくヒゲは食べろ。棄てるな。
多めに買ったときは、最初にまとめて加熱処理してから冷蔵しておく。生のまま保存すると、みるまに味が落ちてしまう。もったいないし、知らずにそんな味だと思ってしまうと新鮮なおいしさを見落としてしまうことになる。
追記:鮮度が落ちてしまった場合について追記しましたので、よければご覧ください。