ネクラとポップと24歳のわたし
衝撃だった。社会人になりたてで25を目前に控えたわたしに、お金もなくて努力もしないわたしに、少女の声がつきつける現実離れした現実。
出会いはYouTubeの関連動画をなんとなく巡っていた時。「オシャレ大作戦」というイカすタイトルに惹かれてMVを視聴すると、かっこいいバンドサウンドとポップなキーボードのメロディ、まるで5歳の女の子のような可愛らしい歌声が奏でる不思議な音楽があらわれた。そんなおとぎ話のはみ出し者みたいな音楽に乗って、何者にもなれなかった無個性社会人のうだつの上がらない毎日が唄われる。そのクセになるアンバランスさが妙に心地よくて、何度も何度も繰り返し再生した。
MVはただ演奏してるだけの映像だけど、ボーカルもっさのかわいさ、楽器隊のかっこよさ、ところどころ挟まれるお茶目なユーモア、そして何よりひとりひとりが楽しそうに動いて演奏しているのがすごくいい。
曲の印象とは打って変わったネクラな歌詞に、自分が人生の主人公じゃないことに気づいたことのある人なら共感できる部分が多いはず。それでいて希望は失わない、ダメな奴なりに頑張っていこうよと不器用に元気づけてくれる歌詞なんです。是非とも歌詞を読みながら聴いてみてください。
そんな彼らの正体は“ネクライトーキー”。
バンド活動のみならずボカロP“石風呂”名義で「ゆるふわ樹海ガール」「ティーンエイジネクラポップ」などの楽曲を生み出した朝日さんが、ベースの藤田さん、ドラムスカズマタケイ、そしてボーカルのもっさを誘って結成されたバンドで、サポートだったキーボードのむーさんが加入して現在は5人で活動しています。
オシャレ大作戦を聴いてすぐ、その時点で販売していた楽曲「タイフー!」「許せ!服部」「涙を拭いて」を購入・視聴しました。
タイフー?タイフー?TAIFU・・・?
そうですこちらの楽曲、フジファブリック「TAIFU」をリスペクトして作られた曲なんだそうです。学生時代フジファブリックを聴きまくっていたわたしにはぶすりぶすりとぶっ刺さりました。そしてこんなにフジファブリックみが深いのに、ネクライトーキーとしてのアイデンティティがしっかり確率されている。
楽曲紹介もそこそこに、次はアルバムの紹介をさせてください。
現在は「ONE!」というフルアルバムと「MEMORIES」という石風呂名義で作られたボカロ曲のカバーアルバムが発売されています。両方ともApple Musicなどのサブスクリプションで配信されております。
「ONE!」はネクライトーキー初めてのアルバムで、疾走感のある「レイニーレイニー」から始まり、切なさを残す「夏の雷鳴」という曲で〆られます。アップテンポな曲からバラードまで一曲一曲が全く違う雰囲気の曲で構成されており、曲が変わるたびに宝箱を開けているような気分になれます。まず聴くならこのアルバム。先程ご紹介した「オシャレ大作戦」「タイフー!」「許せ!服部」も、YouTubeにアップされているシングル版とは違うアレンジで収録されています。
「MEMORIES」はカバーアルバムと侮るなかれ、石風呂楽曲の中でもネクライトーキーのサウンドにぴったりの選りすぐりの曲目にネクライトーキーらしいアレンジを効かせた最強のアルバムとなっております。
特におすすめなのはこちらの楽曲。
ポップでかわいくカッコいい音楽にのせた、朝日さんの音楽への想い。楽しそうに演奏(?)する5人の思わずにやっと笑いたくなる映像。
アルバムは以上の2つで、これを聴いておけばほぼ全ての楽曲を網羅できます。つまり、今が聴きどきです!アルバム2つ聴いただけでライブの予習できるなんてかなりお得じゃないですか?
ぜひとも、是非とも聴いてみてください。ネクライトーキーの音楽にぶん殴られてみてください。そして気に入ったら、廃盤になってしまったシングルの収録楽曲が何曲かYouTubeで聴けるのでそちらも聴いてみてください。
実は、ネクライトーキーのいいところ、これだけじゃないんです。
彼らのライブにはまだ2回しか参戦したことがないのですが、それでもはっきりとわかるくらい成長が著しい。特にもっさの上達っぷりは目を見はります。演奏技術としてだけでなく、ライブの盛り上げ方、演奏中の雰囲気も、どんどんプロとして洗練されてきています。他人の成長を見届けるのって、こっちまでわくわくしてきませんか?
さて、そんなネクライトーキーがこの度なんとメジャーデビューとなりました!!!
本当におめでとうございます。大好きで大好きで大好きです。
これからもわたしたちに素敵な音楽を届けてください。
最後に、YouTubeで聴けるおすすめ楽曲も載せとくので聴いてから帰ってくださいね。
こちらのnoteもどうぞ。