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「専門家」でいるべきか、「仲間」でいるべきか

Startup Studioで受注する案件の多くは、大手企業様の新規事業案件が多く、その場合、大手企業の起案者の方と私たちStartup Studioとの間でパートナーシップを結んでプロジェクトを進めていく形になります。

大手企業様の方は、新規プロダクト開発のノウハウが乏しいという課題感から委託することが多いです。そして、私たちとしては、アイデア開発、UX/UI検証、MVP実証実験・検証などを一手に引き受けて、我々のフレームワークに則ってプロジェクト進行を行なっていき事業化検討に足る情報を揃えることが多いのですが、プロジェクトの中でお客様とどうしても折り合いがつかない事が度々発生します。

直近起きた内容としては、「検証計画の内容、および検証結果の解釈の相違による意見の食い違い」です。

もう少し噛み砕くと、今回のUX/UI検証において、

  • インタビュー項目で足りていない観点があるのでは?

  • インタビューの結果を受けてまだ集めきれていない情報があるのでは?

といった問いが浮上して、再度UX/UI検証をやるべきか、後続のMVP検証でまとめて確認をするか議論を重ねることになりました。そして結局のところ、各ステークホルダーの解釈による意見の食い違いの溝が埋まらず、クライアントの意向に沿うという結論に至りました。

まぁ、言われればあるあるかも知れません。

こんな時に、多くの新規案件に向き合ってきた私たちとしては、答えは「ユーザーの行動にある」という精神を崩さず、いち早くMVP(プロトタイプ)を作って顧客に当ててみる(試しに使ってもらう)という方針を取るため、今のこの検証でしか確認できないこと以外は先の工程でまとめて確認することを提案するのですが、そうはいかない場合があります。

そんな時に新規事業開発や新規プロダクト開発における「専門家」としてあるべき方針を説くべきか、「仲間」として顧客の意向に寄り添うべきか、という問いに向き合わないといけません。

結局、どうすることが正解なのだろうか。。

結論から言うと、「専門家としての意見を述べても顧客が納得いかない場合は、仲間として寄り添う」だと思いました。

理由は、我々としても、答えにたどり着く近道を知っているが、決して答えを知っているわけではないからです。

もちろん、この解について成立するのはQCDに対する影響が少ないことが前提となります。例えば、顧客の現場の意向で検証を想定より長く手厚くやりたいとなったとしても、顧客のPMOでスケジュールに対して許容できない場合は、迂闊に検証をじっくりやってスケジュールを遅延させることが出来かねると思います。

まとめると、言いたいこととしては、どんなに新規プロダクト開発のノウハウに長けていたとしても、プロダクトがユーザーに使ってもらえるかやビジネス的なインパクトを残せるかはわからないということです。ゆえに、プロダクトの成功に対して謙虚に向き合う姿勢が大事であるということになります。

現時点(2023年2月1日時点)で、まだ検証段階ですが、日本中が蒸し暑くなる頃にいい答えに巡り会えることを期待したいと思います。


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