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科学、社会、学術会議

未だ戦争や貧困や差別や環境問題などを克服できないでいる社会の現状を見る限り、今の科学や科学的思考の到達点が、完全無欠で誤りがないものとは決して言えませんが、科学者たちが行ってきた研究や発展させてきた科学的・合理的思考や研究方法が、自然や社会の仕組みや法則や原理の理解に役立ってきたことは間違いないと思います。

そして、それに伴い私たちの暮らしや人権に対する意識も大きく進歩してきた事実はゆるぎないものだと思います。その点からも私たちは科学に対する信頼や希望を持ち続けても良いのだと思います。

個人の奮闘や能力や権威に依存するのではなく、科学を学び研究している多くの人たちが関与して、ただ人類の進歩とともに到達した現憲法の理念を尊重するという一点を制約条件としながら (つまり国民のための機関だという制約の中で)、政府や財界などの特定の利権や個人・団体からの圧力などを受けない立場で、科学的な知見から政府や社会に対してさまざまな提言や助言をだすという科学アカデミーの役割を学術会議にはぜひ担っていってほしいと思います。

そのために学術会議を巡る動向を注視し、学術会議の独立性と安定性を守っていくのは私たち国民の務めではないかと思います。

そして学術会議はその提言の合理的根拠をわかりやすく、国民に浸透するようにさまざまな機会に様々な方法で説明していく努力が求められると思います。科学者が科学的視点から社会や政治に積極的に関与していくことを期待したいと思います。そこには科学者の自由で安定した生活や研究が保証されるべきであるということも忘れてはいけないと思います。

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