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地道な技術者の仕事は魅力が無い?

最近の南国の若い国民技術者の一部には、マネージメント志向が強く、現場で経験を積んだり、自分の頭で考え自分の手を動かしてデータを集めたり分析したりしてスタディを行ない課題を解決したりしていくことに熱心ではない人たちが見受けられます。

エンジニアとしての経験が少ないまま技術系部署のマネージメントポジションについている国民の例が身近に見られることもその原因になっているのではないかと思われます。また、それら技術経験の少ないマネージメントが、エンジニアとしての仕事の醍醐味を若い国民が味わえるような仕事のふり方や、指導ができていないことも原因としてあるのかもしれません。

現場での経験が少ないエンジニアや、自分で手を動かして苦労してスタディをしたことのないエンジニアがマネージメントにつくと、現実的ではない無理難題をチームや部下に押し付けてしまうことがあります。

これはチーム内だけの問題にとどまらず、操業会社の株主(国営会社)と操業会社の間でも起こっています。経験の少ない若いエンジニアが、株主の代表として会議に出席して、操業現場やスタディの実情を無視した C&R (コンクルージョン・アンド・リコメンデーション) を残して厳しく締め付ける例が最近増えたように感じます。

かつては、会議の場ではきびしい発言をしていても、C&R をまとめる段階で、株主内でも良くもまれ、さらに操業会社にドラフトの段階で提示され、操業現場の意見も聞いて、最終的には現実的な C&R が発出されていました。

そしてこれはなによりも、現場の経験やスタディの実情をよく知る国民などがマネージメントを行っていたがために現実的なところにいち早く落ち着いていたのだと思います。

最近の若い技術者が、現場を知らないマネージメントから締め付けられ、このような状態で技術者を続けるよりも、できるだけ早くマネージメントのポジションに着きたいと思う気持ちも分からなくもありません。

ではエキスパットの技術者たちはどうなのでしょうか。

国営企業は従業員の中の国民の割合を増やすことを目標として掲げています。マネージメントのポジションは必然的に国民が占めることになります。しかし現在のところまだまだ技術的には海外からのエキスパットなしでは会社は立ち行きません。

私たちのように南国操業会社に株主からの派遣社員として来ている技術者はともかく、直接雇用のエキスパットは、国民に技術指導をして国民技術者がしっかりと独り立ちできるようになると、自分のポジションが国民にとられてしまうという矛盾を抱えています。新人の研修プログラム内での指導程度ならともかく、また、誰にもまねできない圧倒的な技術力を持っているならともかく、日常業務の中で若手国民を本気で育てるモチベーションはなかなか湧かないのが現状だと思います。

エキスパットは締め付けを受けながらも自分がいなければ現場が回らないように技術や経験の囲い込みを行わざるを得ないような流れになっているのではないでしょうか?

私は最終的には国民が国民を育てられるようにしていかなければならないと思っています。そしてマネージメントポジション以外でも、技術者としてのモチベーションが維持できるような組織や業務運営が必要だと思います。

現場やスタディの経験があり、実情をよく知るマネージメントの育成がとても大切だと思います。エンジニアをいかに育てるかも重要ですが、マネージメントの育成も非常に大切だと感じます。

技術系研修プログラムは技術者への入口への第一歩にすぎません。そこから、いかに技術者としての経験を積み、仕事を理解して、マネージメントに進むなり、スペシャリストの道に進むなり、選択肢のある魅力的な道を示せるかが重要だと思います。


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