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マイクラで地下生活
海外赴任中に新型コロナの流行が始まりました。
赴任先のアラブ首長国連邦 (UAE) では2020年の春ごろ日本便を含むほぼすべての国際線の運航がしばらくストップするとのニュースが流れました。国際線がいつ再開されるかもわからないため、日本にいる子供のことも考え、運航がストップする直前の便で妻は日本へ帰国し、私は単身でUAEに残ることになりました。
赴任先の会社も全面的にリモートワークとなり、人と直接会って会話することはほとんどなくなり、会社の仕事も会議も会話もすべてオンラインとなりました。
妻が帰国する少し前に、ゲーム感覚でフィットネスでもやろうとネットで注文していたNintendo Switch が、妻が日本へ帰国した後、私の家に配達されてきました。当時人気商品でしたので、入荷までにかなり時間がかかったようです。
当時、コロナでめったに外出もできない状態でしたので、私はこのNintendo Switchで遊んでみることにしました。その時唯一手に入れたゲームソフトがマインクラフト (通称マイクラ) です。
マイクラの名前だけは聞いたことがあって、学校の授業などでも取り入れられているなどというニュースは聞いていたものの、その世界感や遊び方など全く分からなかったので、ネットで遊び方などを調べてみました。その時YouTubeで見つけたのが、Nintendo公式チャンネルの「よゐこのマイクラでサバイバル生活」です。
私と同じように全くのマイクラ初心者だったよゐこの有野晋哉さんと濱口優さんが、突然マイクラを手渡されて、知識なしのゼロからマイクラの世界にほうり込まれてサバイバル生活を送るという動画です。
何話にもわたる続き物の動画なのですが、なんだか最後には壮大なマイクラ世界が出来上がっていて、ちょっと感動の傑作動画でした。
ちなみに「よゐこのマイクラでサバイバル生活」にはシーズン2もあります。
私もマイクラの世界に足を踏み入れてみました。ゾンビみたいのやら骸骨みたいのやらいろいろ出てきて、マイクラの世界はとても危険でした。
特に外は危険なので、穴を掘って地下を探検することにしました。ひたすら穴を掘って掘って掘りまくって、たいまつを刺しまわって、どこへ移動するにも地下を移動することにしました。地下であればマイクラの夜になってもそれほどモンスターたちに襲われなかったからです。時々地下のあちこちに部屋を作って、ベッドやタンスや作業台などを置きました。
一心不乱に穴を掘り続け、時々地上に顔を出し、見知らぬ景色に驚く。たまに湖の底や溶岩流をぶち抜いて、せっかく掘った地下道が水浸しや溶岩で埋まる。マイクラの世界で迷子にならないように、とにかく石や土を高く高く積み上げて遠くから見える塔を作り、降り方が分からないので、飛び降りては生き返りゲームを再開する。
そんなマイクラ生活を続けてコロナ時間を過ごしていました。マイクラの背後で流れる物悲しいメロディーと、一人寂しく地下道を掘り続けるマイクラ生活を満喫していました。今でもこのメロディーを聞くとコロナで閉じこもっていたころを思い出します。
後で、日本にいた娘にその話をすると、苦笑されました。見せてもらった娘のマイクラ世界には近代的な建物や水族館、鉄道、村などができていて、ずっと文明的な暮らしをしていました。