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陥りやすい「木を見て森を見ず」

石油開発・生産のための油層モデルの構築に際しては、様々なデータを統合し、数あるモデリング手法の中から対象油層に適した方法を選択し、生産履歴がある油田であれば、生産履歴とモデルによるシミュレーション結果の乖離が少なくなるように、不確実性が高く結果にセンシティブなパラメータを優先して調整しながら乖離を少なくしていきます。

モデリングのストラテジーは人によっても、会社によってもいろいろあり、どれが絶対に正しいというものはありませんが、経験的に陥りやすいのが「木を見て森を見ず」状態になることです。

大勢にあまり影響がないところで、些細なことに気を使いすぎるあまり、モデルの目的を見失ったり、全体として目的に見合った予測精度が達成できなかったり、モデルのベースとなる地質コンセプトから逸脱して現実的ではないモデルを作ってしまうこともあります。

誰ともディスカッションせずに一人でのめり込んでスタディをしていると陥りやすい状態です。

石油を探す探鉱プロジェクトの仕事では、地質屋の主な仕事は石油を探し当てることと言えますが、石油開発・生産プロジェクトにおいては、地質屋の仕事は地質屋だけでは完結しません。

地質屋の作った地質モデルを油層・生産技術者と協力して、油層の開発計画や生産予測に使えるダイナミック・モデルにまで仕上げることが必要です。ときには細かいことは置いておいて、油層の生産性に寄与する重要なパラメータを大胆に見つけだすことも重要です。

「木をみて森を見ず」にならないようにするためには、一度視点を変えてみたり、俯瞰してみたりするのが良いのですが、私の場合、とにかくいろいろな人と話して意見交換することが役に立ちました。

独りよがりの結論にならないためにも、若い人を捕まえてでも話を聞いてもらうようにしています。そんなところから突破口が見えてくることがあります。

オフィスで私の近くに座る○○さん、私にあれやこれや話しかけられて迷惑していますよね。

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