
自治体ごとの再エネ導入ポテンシャル
以前、環境省の資料では日本全体の再エネ導入ポテンシャルは法令などの制約がなく発電事業の採算が取りやすいとみられる「事業性を考慮した導入ポテンシャル」を見た場合でも、売電価格の低いケースでも2020年の原子力や化石も含む総発電量に匹敵するほどで、売電価格が高いケースでは2020年の総発電量の約2.6倍ものポテンシャルがあると評価されていることについて書きました。
各自治体 (都道府県や市区町村ごと) の再エネポテンシャルはどの程度と見積もられているのかも調べてみたいと思いました。
そこで参考になりそうなのが、同じく環境省が公表している「再生可能エネルギー情報提供システム (REPOS)」です。
その中に自治体ごとの「再エネ情報カルテ」や「地域脱炭素化支援ツール」なども用意されています。
たとえば、埼玉県の「再エネ情報カルテ」は以下のリンクのように見ることができます。また、エクセルファイルもダウンロードできるようになっています。
これを見ると、埼玉県の電力使用量は 36,294,269.286 MWh/年、再生可能エネルギー(電気)導入実績合計は 2,658,830.399 MWh/年 で、域内で作られた再エネ電気の使用量に対する割合は約7.3%となります。一方、ポテンシャルに関する情報による再生可能エネルギー(電気)合計は 37,492,235.929 MWh/年 で、電力使用量の1.03倍とほぼ電力使用量をすべてまかなえるポテンシャルがあると評価されています。
もちろん、さらに詳細に制約条件などを考えていくとポテンシャルにはかなりの幅があると考えられますが、それを考慮しても、再生可能エネルギーの地産地消の割合を拡大していく余地はかなりありそうだということが環境省の見積もりからも読み取れます。
今後、REPOSの情報やツールを利用しながらさらに自治体ごとに地域の実情に合った再エネ導入のポテンシャル評価と導入拡大への具体的ロードマップ、支援策作りに取り組んでいくことが重要だと思います。国のエネルギー基本計画案には私はいろいろと懸念事項があると思っていますが、ぜひ政府には自治体レベルで主体的にエネルギーの地産地消を推進していけるような強力なバックアップを行ってほしいと思います。