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自民党のコンプライアンス研修

大手企業ではコンプライアンス (法令遵守) 研修が盛んにおこなわれています。私が以前勤めていた国内企業や海外赴任時に働いていた海外国営会社でもコンプライアンス研修は必修でした。

企業の社会的評価や信頼の維持にはコンプライアンスが必要不可欠になってきていると思います。

企業がグローバル化するとともに、経営者も従業員も世界の先進的なコンプライアンス感覚を身に着けていないと、競争への参加資格さえ得られない場面があります。また、コンプライアンス違反を含め、企業が起こす不祥事は、ネットなどを通じてたちまち広がり、企業イメージにも致命的なダメージを与えることがあります。行政からの指導や処分も厳しくなってきています。

私たちもコンプライアンス研修を受け、こういう場合、ああいう場合、コンプライアンス違反になるのか、少しおびえながら、コンプライアンスに関する質問窓口などに問い合わせながら慎重に取り組んでいました。

明らかにコンプライアンス違反である裏金問題を引き起こした自民党ではコンプライアンスについてどう取り組んできたのでしょうか?

自民党のホームページを見ると2023年2月2日に「コンプラ研修会を初開催 党所属の全国会議員を対象」という記事 (https://www.jimin.jp/news/information/205129.html) が掲載されています。また、2023年3月9日には「法令順守で政治への信頼高める地方議員向けコンプライアンス研修会を開催」という記事 (ttps://www.jimin.jp/news/information/205414.html) が出ています。

この後の裏金問題を巡る国会論戦を見ても、自民党の賛成で可決した改正政治資金規正法を見ても、実効性に疑問がある内容で、自民党のコンプライアンスに対する取り組みは本当に自民党議員のコンプライアンス意識を高める効果があったのだろうかと疑問に思わざるを得ません。

自民党に限らず、国会議員、地方議員全員に、あるいは選挙前の候補者全員にコンプライアンス研修を受けさせたうえで、重要な法規に関してコンプライアンス違反をしていない旨誓約書を提出させ、重要なコンプライアンス違反が見つかった場合には即刻議員資格を停止させてもいいのではないかと思ってしまいます。

法律や条例を作る立場の議員なのですから、そのぐらいの厳しさがあっても良いのではないかと思います。

2024年度 (第67回)日本ジャーナリスト会議賞大賞に、日本共産党のしんぶん赤旗日曜版、『自民党派閥パーティー資金の「政治資金報告書不記載」報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン』が選ばれたそうです。

他政党の機関誌であるしんぶん赤旗日曜版に報道されなければいったいいつまであの裏金システムがはびこったままだったのだろうかと考えると、つくづく自民党の自浄能力のなさには幻滅させられます。良識ある自民党員もさぞかし恥ずかしい思いをされたのではないでしょうか。

自民党総裁候補者たちが裏金問題の国会審議の間にいったい党内でどのようなイニシアチブをとっていたのか、そしてコンプライアンス研修がどう活かされてきたのか、ぜひうかがいたいところです。


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