好きだった番組。NHK 連続人形劇 「新八犬伝」
子供の頃の家庭での娯楽と言えばテレビ一択だったような気がします。
もちろん、「オバケのQ太郎」や「魔法使いサリー」をはじめとするアニメや、「ウルトラQ」や「ウルトラマン」をはじめとする特撮ものなど、物心ついたころから夢中で見ていたのを思い出します。
1960年代の中・後半は、そんな番組を家族みんなで食卓を囲みながら見ていた気がします。
友達と遊ぶ時も話題は昨日のテレビ番組。子供たちの間で大流行りだった「めんこ」にも、ヒーローや怪獣などテレビのキャラクターが出ていて、必死に集めたものです。
しかし、小学校中学年から高学年と進むにつれて、だんだんアニメや特撮ものから離れ始め、NHKの番組をよく見るようになりました。 「四つの目」「レンズはさぐる」「みんなの科学」「少年ドラマシリーズ」など、ちょっと大人になったような気がしながら見ていたものです。
「みんなの科学」など、今でも電子工作のわくわく感や、雨の中を傘が無い時どのように歩けば一番濡れないかの実験など、すごく記憶に残っています。オープニング音楽も忘れられません。
[NHK みんなの科学]
そんな中、私が自ら夢中になって見ていた番組があります。それが1973年から始まったNHKの連続人形劇「新八犬伝」です。「ネコジャラ市の11人」が終わって、それまでの人形劇とは打って変わって、壮大なストーリーと、辻村ジュサブローさんのシリアスな風貌の精巧な人形と小道具、そしてそれを巧みに操る人形操作の見事さで、人形劇であることを忘れさせるほどの迫力ある番組でした。
時には暗く、重く、恐ろしい話になりがちでしたが、そこを巧みに盛り上げていたのが、坂本九さんのナレーションでした。ときどき黒子姿で画面に登場してくれたのが、ホッとさせられ、この人形劇の魅力を倍増させていたと思います。
音楽も印象に残っています。毎日たったの15分の放送でしたが、とても楽しみにしていました。
[NHK 連続人形劇 新八犬伝]
できれば、この後に放送された同じく辻村ジュサブローさんの人形による「真田十勇士」とともに、全放送回を通しで見てみたい気がします。
NHKには本当に楽しませてもらったので感謝しています。これからも心に残る良い番組をじっくり作り上げていってほしいと思います。
「新八犬伝」でナレーションを務められた坂本九さんは、歌に語りに多彩な才能をお持ちの方で、私は大好きでした。私が大学生の時に日航機の事故で亡くなられました。そのニュースの衝撃はいまでも忘れられません。ご冥福をお祈りします。