ハンミョウ釣りとアリジゴク採り
ハンミョウ釣りってしたことありますか?
小さいころ、庭のやや踏み固められたような土の表面に直径5㎜弱の穴を見つけたら、それがハンミョウの幼虫が暮らす巣穴でした。
ハンミョウの成虫はちょっとカミキリムシを薄っぺらくしたようなイメージ (個人の感想です) の甲虫です。幼虫は白っぽく細長い芋虫で、体のわりにがっちりとした顎を持っています。
ハンミョウ釣りは近所のおじさんに教えてもらいました。ニラの細長い葉っぱをハンミョウの巣に差し込んでしばらくすると、ニラの葉っぱがもぞもぞと動き出すので、頃合いを見計らってニラの葉っぱを引き抜くと、ハンミョウの幼虫がニラの葉っぱの端っこに嚙みついていて釣れるのです。
ニラではなくても、木の小枝でも、ほかの葉っぱでもなんでも釣れるとのことですが、私はニラの葉っぱが食いつきがいいよと教わりました。
ハンミョウの幼虫の巣穴がいくつか見つかると、片っ端からニラの葉を差し込んで、葉っぱが揺れると、片っ端から引き抜いていました。勝率は2~3割というところでしょうか。程よく難しくて、ちょっと夢中になってしまう遊びでした。
採ったハンミョウの幼虫をどうするというわけでもなく、釣れてしまえば幼虫自身には興味をなくして、その辺の土の上に放置していってしまうのですから、幼虫にとっては迷惑な話でしたよね。無事にまた土の中に戻れていれば良いのですが。
小さいころ住んでいた家の軒下の、乾いた細かい砂状の土には、アリジゴクがすり鉢状の巣をいくつも作っていました。こちらは息を吹きかけて土を飛ばすと、アリジゴクが現れるので、それをすくえば捕まえられるのですが、子供は結構残酷です。
近くのアリをアリジゴクに誘導したり、直接アリを捕まえてきてアリジゴクにおとしたりして、アリジゴクが土を跳ね飛ばしながらアリをすり鉢状の巣の底に引きずり込もうとするところを、巣ごとすくって捕まえるのがなんとなく流儀でした。
アリジゴクは手のひらに載せると、おしりをもぞもぞ動かしてくすぐったかったのを覚えています。こちらも捕まえてしばらく手のひらで遊んだら、土の上に返してあげるだけです。アリジゴクはまたすぐ一生懸命巣を作り始めます。
アリジゴクはウスバカゲロウの幼虫で、成虫はちょっとトンボに似ていますが、細いからだと細い羽根で、よたよたひらひらと飛ぶ、なんだかひ弱なイメージ (個人の感想です) で、幼虫の荒々しさとはずいぶんと違いますね。
庭の虫たちは、私の遊び相手でした (私がかってにそう思っているだけです)。虫にとってはずいぶん迷惑だったとは思いますが、私も虫にさされたり、かまれたりいろいろあったので、お互いさまということにしておきます。