ジャニーズ事務所性加害の報道に思う
ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長による性加害問題に関して事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」による報告書が2023年8月29日に公表されました。
[TBS NEWS DIG 2023年8月29日(火) 15:28]
このニュースで取り上げられている「外部専門家による再発防止特別チーム」による報告書は【調査報告書(公表版)】と【調査報告書(概要版)】としてジャニーズ事務所の公式サイトから見ることが出来ます。
この報告書を読むと、ジャニー氏は長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められ、事務所は性加害を知りながら放置と隠蔽に終始したことが被害の拡大を招いたと明確に断じています。また、エンターテインメント業界においては、有名プロデューサーなどの権力者とタレントとの力関係の差が性加害やセクシュアル・ハラスメントを生じさせやすい構造となっていることを指摘しています。
このような大規模な人権被害を放置・隠ぺいしてきたことを考えると、私の感覚ではこの事務所はこのまま存続を続けることは不可能だと感じます。
事務所の責任は重く、現在の経営陣にはこれ以上タレントを抱え続け、タレントの芸能活動をマネージメントする能力はないものと思います。事務所は今後、すべての資産を整理したうえで被害にあわれたタレントをはじめ、抱えて来たすべてのタレントに対する保障と救済に全力で専念すべきではないかと思います。
また、マスメディアもスポンサー企業も力のある芸能事務所に忖度していたのであれば、間接的に性加害の一端を担ってきたと自覚する必要があるのではないかと思います。
この事務所に所属するタレントを起用してきたマスメディア、スポンサー企業等は、事務所やプロデューサーに対する忖度などではなく、タレント自身の能力や魅力などの価値を認めていたことを証明するためにも、現在起用しているタレントや過去に起用していたタレントについて、他の事務所へ移籍した後でも、あるいは他の事務所への移籍が決まらず個人契約せざるを得ない状況でも、一定期間起用し続ける責務があるのではないかと思います。
マスメディアやスポンサーにはそれほど真剣にタレントの人権について考えてほしいと思います。そして今後このような問題が発生すればそのような人権を軽視する事務所と関係を持ってきたことが致命的になり得ると心すべきだと思います。
このような人権問題が自浄できないようであれば、私たちは人権に関して世界に向けて語れるものは何もないと思うべきだと思います。