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学習帳から大学ノートへ

小学生の低・中学年の頃は学校で使うノートと言えば「学習帳」でした。サイズは主にB5サイズ。表紙には美しい写真や絵が用いられ、教科ごとに工夫が施されたものでした。

小学5年生になったとき、私たちは担任の先生から、「これからは先生からは課題や宿題を出さない。自分で課題や勉強内容を決めて、このノートに書いて毎日提出しなさい」と言われ手渡されたのが、それまで使っていた「学習帳」よりも一回り大きなA4サイズのいわゆる「大学ノート」でした。

大学ノートは表紙も中身もそっけなく、大人びていました。そしてその広大なスペースを埋めるべく、毎日の奮闘が始まったのです。

それはその先生の新しい勉強の進め方でした。何を書いてきても良いとのことでした。日記をつけるものもいれば、問題集を解いてくるもの、感想文を書いてくるもの、いろいろでした。私はよく年鑑などのテーブルからグラフをつくったり、テレビニュースのメモを取ったりなどしていました。

ですから、私にはなんとなく今でも大学ノートは「挑むもの」というイメージがあります。

小学5・6年の2年間、毎日先生にノートを提出し、先生は毎回なにかしらコメントを返してくれました。先生も大変だったと思います。私たちは2年間で何冊もの大学ノートを消費しました。

毎回新しい大学ノートを前にすると、気が引き締まるような思いがしたものです。

ウィキペディア日本語版「ノートブック」によると、大学ノートは、

東京大学の前の松屋という文房具屋で1884年(明治17年)に売り出されたことからその名がついたといわれている。当時としては珍しい洋紙(フールスキャップという)が使われ、表紙に細かい毛が入った紙を使用していた。

とのことです。

赴任していたUAEでは、今でこそ日本の100円ショップも進出して、品質の良い大学ノートも比較的容易に入手できるようになりましたが、以前は写真のような固い表紙の、ごついノートが一般的でした。紙もすこしザラザラしていて、よくペン先がひっかかりました。

UAEでよく使っていたノートブック

重くて持ち歩くのも大変でした。しかしこれはこれで、UAEでの奮闘を思い出させる、今となっては懐かしいものです。

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