永源寺 釈尊降誕祭 「おしゃかさま」の思い出
毎年初夏の若葉がさわやかに映える5月初旬、埼玉県坂戸市の永源寺で行われる釈尊降誕祭(花まつり)は子供の頃の楽しみでした。私たちは単に「おしゃかさま」と呼んで、このお祭りが近づくと、わくわくしたものです。
2005年度以来、このお祭りは5月5日に行われるようになったようですが、私が子供の頃は5月8日に開催されていました。つまり平日のこともあったはずですが、たしか屋台は2日間出て、平日であれば学校も半休?(いや、自主半休?)ということもあったような気がします。
5月8日が近づくと、子供たちの間では、「どうする?どうする?」と、何時行くのか、誰と行くのか、何を買ってもらうのか、探り合いがはじまります。情報を仕入れて、家族に話し、より早くお祭りに行って、より楽しそうなものを買ってもらう作戦です。
私が子供の頃は小学校の運動会でも、小学校のまわりに屋台が出ることがありました。それはそれでわくわく楽しみではあったのですが、「おしゃかさま」は規模が違います。めったに見ることのない屋台がずらっと並び、それはもう目移りしてしまいます。
なかでも、子供の頃の私の心を鷲づかみにしたのは、ヒヨコだったり、かめだったり、動物系の屋台です。
しかし、私のうちでは結局一度も両親の説得に成功したことはありませんでした。ヒヨコを買ってもらったという友達がいれば、うらやましくて、遊びに行って見せてもらったものです。
私のうちではせいぜいりんご飴と綿菓子、そして銀玉鉄砲か巻玉火薬鉄砲を買ってもらえればいいところでした。それでもやっぱり「おしゃかさまは」子供の私にとっては年に一度の楽しみでした。
釈迦の誕生を祝う仏教行事、灌仏会 (かんぶつえ) は日本では「花まつり」とも呼ばれ、4月8日に行われることが多いようですが、坂戸の「おしゃかさま」など、寺院によっては月遅れの5月8日に行われるようです。坂戸 永源寺の解説によると、
とのことです。
このお祭りのおかげで坂戸の商店街はずいぶん賑わったのではないでしょうか。
当時は週末の午後には軽飛行機 (セスナ) による宣伝飛行も行われ、大音量の拡声器で空から商店街の宣伝などが行われていました。また、アドバルーンによる宣伝も見られました。運動会やお祭りなどの開催日には合図の花火なども景気よく打ち上げられ、子供にとってはそれもわくわく感を高めるものでしたが、騒音に関しては今に比べるとかなり甘かったですね。
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