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世界の核弾頭数

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所 (SIPRI) は2023年6月12日に SIPRI Yearbook 2023 (SIPRI 年鑑 2023 軍備の増強、軍備縮小と国際安全保障) を公表しました。

現在ネットで公開されている2023年 年鑑の要旨は英語のみですが、2022年の年鑑については日本語要旨が公表されていますので、いずれ、2023年版についても日本語版要旨が公表されるのではないかと思います。

[2022年版 年鑑各国語要旨へのリンク]

下記SIPRIの6月12日の記事には2023年 年鑑のハイライトとして、世界の核弾頭数が掲載されています。

世界の核弾頭の総数は 12,512発と推定されていて、そのうち 9,576発が使用可能な状態とみられています。アメリカが 5,244発、ロシアが 5,889発を保有しているとみられていて、両国で全体の9割占めています。中国は前年の 350発から410発に増加しています。

一方、長崎大核兵器廃絶研究センター (RECNA) も2023年6月5日に「世界の核弾頭データ」2023年版ポスターを公表しています。

詳細データについても公表されています。

SIPRI と RECNAの数値には多少の違いは見られますが、規模としてはこのぐらいの数値なのでしょう。

この数の多さに驚愕します。長崎大核兵器廃絶研究センターは、6月5日のポスター公表に際して以下のように述べています。

確かに、核弾頭の総数は冷戦後一貫して減少傾向にあります。ピーク時(1987年)に7万発近くが存在した核弾頭は、米ロの二国間条約などによって 大幅にその数を減らしました。
 しかし、実質的な核軍拡は進んでいます。注目すべきは、「現役核弾頭」の数です。これは、総数から 「退役・解体待ち」の核弾頭数を除いたもの、すなわち配備されていつでも使える状態にある核弾頭と、配備に備えて貯蔵されている核弾頭の数の合計です。「現役核弾頭」数は、米ロ間の新戦略兵器削減条約(新STARTの履行期限(2018年2月)以降、明らかな増加傾向にあります。
 加えて、各国はいずれも保有核兵器の質的な向上を進めています。国際的な軍縮・不拡散・軍備管理の枠組みは極めて大きな逆風に晒されています。

私たちは核保有国政権の「理性」をどこまで信じられるのでしょうか?
また、仮に100歩譲って核抑止があり得るとして、各国が保有する核弾頭数の合理性は誰がどう判断できるのでしょうか?また、私たちはこの現状をただ受け入れるだけで良いのでしょうか?

私の不安は核兵器がある限りいつまでもなくなりそうもありません。


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