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微妙な表情や不均一性が作り出す人間らしさ

最近生成AIで作成されたと思われる人物の画像をネットの広告などで見かけることが多くなりました。

非常に整った顔立ちで、にこやかな表情にもかかわらず、なぜだか気味の悪さを感じてしまうのは私だけでしょうか?

おそらくこれが明らかに絵画や漫画、イラストだとわかるようなものであれば、それほど気にならないのかもしれません。

それがなまじ、写真のようなクオリティーであるため、実在する人物の写真としてか認識しようとするため、実在の人物とは違ったあまりにも均整の取れた顔立ちや、表情に違和感を感じてしまうのかもしれません。

人の表情とは微妙で奥の深いものだと思います。そしてどこか、左右対称ではなかったり、均整がとれていなかったり、影が複雑だったり、筋肉が微妙にひきつっていたり、そこが人の「人間味のある」魅力や美しさを引き出しているのだと思います。

人工的な均質の取れた顔立ちや表情は、現実味がないのかもしれません。なまじ写真のような質感であるがゆえに、人間らしい豊かな表情がない生成AI画像に「気味悪さ」を感じてしまうのかもしれません。

しかし、そんな人間らしいゆがみや微妙な表情もいずれAIは作り出してしまうのだと思います。

私たちは微妙な表情から、笑っている人の奥底にある悲しみや苦しみ、怒りの強さ、あきれながらも相手を憎めないでいる人の気持ちなど、いろいろな心の動きを読み取ろうとしたり、推し量ろうとしたりしてきたのだと思います。

CMでもなんでも、実在する人の表情やそのなかに見え隠れする感情の動きをもっと大切にしてほしいなと思います。

それでも、相手の表情を読み間違えて地雷を踏んだり、思わぬ高評価を得たり、人間対人間のコミュニケーションは、私にとっては謎だらけです。人の気持ちを推し量る努力や訓練は大切で、いまだに私にとっては大きな課題です。

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