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南国でサルーキ (犬) に挨拶される (おしりを頭突かれる)
現在は南国の高層アパートに住んでいますが、以前、コンパウンドと呼ばれる低層のアパートに住んでいました。
コンパウンドはウォッチマンによって出入りが管理されている閉ざされた敷地内に、数軒から十数軒程度の同じようなつくりの住宅が建てられています。建物は3階建て程度の低層住宅で、敷地内には駐車場や共有のプール、ジムなどが併設されています。建物の各フロアーにはそれぞれ別の家族が住んでいて、1階にはたいてい庭がついています。
私が住んでいたのは1階で、駐車場から庭の脇を通って玄関にアクセスできるので、荷物が多くても階段を上る必要が無く出入りはとても楽でした。
南国ではあまり犬を飼うのは一般的ではないようですが、例外的にサルーキと呼ばれる犬種は古くから飼われてきたようです。もちろん最近はほかの犬種もよく見かけるようになりましたが、やはりサルーキの人気は高いようです。
サルーキはすらりとしていて体長が長く、細く長い脚と引き締まった体を持っていて、さっそうとした感じがします (個人の感想です)。時々見かけるサルーキたちはたいてい穏やかで落ち着いているように見えます。
私の住んでいたコンパウンドでもサルーキを飼われている方がいました。
私は犬は嫌いではありませんが、子供の頃家の近くを徘徊していた野良犬 (首輪をつけていない犬) で怖い思いをしたせいか、犬を見かけても自分から挨拶に行ったり触りに行ったりはほとんどしません。近所の見慣れた犬には「やあ」と挨拶する程度です。
コンパウンドのご近所さんが飼うサルーキにも、ご近所さんへの挨拶ついでに「やあ」と挨拶する程度でした。
ある日、私が会社から帰って駐車場から玄関に向かって歩いていると、かなり離れた向こうの方にご近所さんとサルーキが見えました。いつものように「やあ」と軽く挨拶してそそくさと家に入ろうと背を向けたところ、背後からドドドドという音とともに「はあはあ」という鼻息が聞こえ「これは。。」と思い振り返ろうとしたとたん、おしりにどんと衝撃がありました。ご近所サルーキが飼い主の手を離れ、私に全速全力で挨拶 (頭突き) に来てくれたのでした。
大変友好的な犬で、たぶん機嫌よく挨拶しに来てくれただけなのだと思いますが、私のおしりに頭をぶつけた後も私のまわりを駆け回っていました。私の顔はかなりこわばった笑いを見せていたのだと思います。飼い主さんがあわててサルーキをつれ戻しに来てくれました。
何気なさを装いつつ、手を振ってサルーキとご近所さんに挨拶をして家に入りましたが、しばらくドキドキしていました。
それ以来、ご近所サルーキを見かけても背中を見せないように、背後を取られないように、挨拶は正面で受け止めるようにしようと覚悟を決めましたが、その後駆け寄って来てくれることはありませんでした。「せっかく駆け寄って挨拶したのに挨拶しがいの無い奴だ」と思われたのかもしれません。