私たちは何をきっかけに避難行動を起こすのか
昨日午後から今日の早朝にかけて大変な雨が降りました。私の住む市内の一部の地域には昨夜18:50 頃、「警戒レベル3 高齢者等避難」が発出されました。
私のスマートフォンでも緊急地震速報/災害・避難情報の通知がオンになっているだけで、特別な設定やアプリのインストールなどをすることなく、自治体からの緊急速報が届きました。また、ほぼ同時に市内のあちこちに設置されているスピーカーから防災行政無線放送で同様の緊急速報が流れました。
緊急速報はどのような人にも分け隔てなくすぐに届く必要があります。今回の速報が市内の何パーセントの人に遅滞なく届いたのか、検証していくことも大切なことだと思います。
それにしても技術の進歩はこのような速報システムにも大きく貢献していることを実感します。
「避難情報に関するガイドライン」(内閣府(防災担当))では、住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示されています。
自治体から「警戒レベル4避難指示」や「警戒レベル3高齢者等避難」が発令された際には速やかに避難行動をとるべきだということは多くの人にとってわかりやすいことだと思います。
一方で、気象庁のホームページには以下のように書かれています。
避難するかどうかを自ら判断して行動するのは多くの人にとってはまだまだハードルが高いと感じます。そういう意味で、自治体からの避難指示は私たちが具体的に避難行動を起こすうえでの重要なトリガーになり得るのではないかと思います。
命令に近い形で発出され、しかも最も信頼できる様々な情報を総合的に判断して発令されているという信頼感が私たちの避難行動への強い動機付けになるのではないかと思います。
内閣府は「災害時の避難に関する検討課題」 (中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会」第6回資料) を公表しています。そこには防災・災害情報の伝達の難しさ、住民の避難行動に結びつけるための課題が挙げられています。(https://www.bousai.go.jp/kaigirep/chousakai/saigaijihinan/6/pdf/shiryou_5.pdf)
自治体にとって避難指示の発令を出すかどうかの判断は、そのタイミングも含めて非常に難しい決断だと思います。しかし、遅すぎるよりは早めに、そして人的被害を出さないことが最大の成果として勇気をもって発令していただきたいと思います。
そして私たちは自治体が発令する避難指示等を深刻に受け止めることが自分自身の身を守ることになるのだと認識する必要があると思います。