無条件の愛、「パーマネンシー」とは?
第33回 フォーラム新しい絆
「若者たちの「人生」をなにが支えていくのか」
社会的養護のもとで育つ若者のライフチャンス・当事者参画の視点から
武蔵野大学の永野咲さんの講演を、南湖ハウスメンバーの3人で一緒に
オンライン視聴参加しました。
1:パーマネンシーパクトとは?
公演中、咲さんは「パーマネンシー」を「無条件の愛」と説明していました。
資料の中では「何があっても私のもとを去らない、置き去りにされない、という感覚を持てること」という表現もありました。
そして「パーマネンシーパクト」とは、
「信頼できるひとりのおとな」との永続的な関係性をもつ取り組みのことです。
施設の職員さんとの関係は、学校の先生と生徒の関係のように
ほとんどがケアを離れるときに断ち切られてしまうそうです。
そこで、「パーマネンシーパクト」の取り組みでは
ユース本人が選んだ「信頼できるおとな」とサポートの関係を結ぶことです。
咲さんの講演資料の中には、「生の不安定さ」を抱えている子ども・若者たちの中に
「自分を応援する観客が一人もいない”かけっこ”で、走っているような気持ち」
「自分が努力して成し遂げても喜ぶ人はいないし、失敗しても悲しむ人はいない」
「壁にぶつかったときに、後ろを振り返ったら、誰もいなかった」
という声があるということを教えてくれました。
皆さんは、子供時代の頃、何かあったら頼ったり
そばにいてくれる人の存在はいましたか?
子どもたちの中には
生まれや生い立ちが不明であったり、
生命や存在を否定されて生きていることが当たり前の子どもたちがいます。
2:イギリスにおける社会的養護の変革のキーワード「ライフチャンス」
そのような子どもたちが、社会的養護の後必要なことは
2つの「ライフチャンス」です。
「ライフチャンス」という言葉は、イギリスにおける社会的養護の変革のキーワードとなっているそうです。
1つは、オプション:社会構造が付与している”選択可能性”
2つ目は、リガチュア:社会の中での”帰属・社会的つながり”
「リガチュア」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、
咲さんは講演の中で「リガチュア」を”糸”を例えにあげていました。
手術で糸を使って縫う際は、
キツすぎても、ゆるすぎてもだめです。
そのような糸のように、ちょうどよい”tensio(テンション)”が大切
とおっしゃっていました。
南湖ハウスもすべての子どもたちに「ゆるく、ながく繋がれる大人を」
そして「多様な価値観をもった大人たちと触れ合う居場所を」
ということを大切にしていたので
改めて、ゆるく、ながく繋がれる実家のような関係をマッチングしていく拠点を創っていきたいと思いました。
施設にいたから、施設を卒業した子どもだから、ではなく
一人の人として、対等に関わりを「ゆるく、ながく」もつことを大切にしていきたいと
改めて再確認させてもらった講演会でした。
パーマネンシーパクトのより詳細はこちらへ
https://fields.canpan.info/report/download?id=29345
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