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インボイス制度を機に働き方を変えた話
初めまして、アトナンド婦人と言います。
作業場が納戸なので、“@納戸”→アトナンドです。
この記事は、一個人事業主とその家族がインボイス制度とどう向き合っているのか、そして今後どのように働いていけばいいのかについて執筆しています。
もし、私と同じ境遇で悩みを抱えているのであれば、解決策の一つとして参考にしていただければ幸いです。
はじめに
『アトナンド』は夫の屋号です。
私の夫は建築業を営んでいます。
今年で12年目、個人事業主として毎日楽しく働いています。
個人事業主とは、法人を設立せずに一個人として事業を営む人のことを指します。
個人事業主は、法律上の手続きも比較的簡単で、開業届を提出するだけでスタートできます。
事業内容や規模に応じて、小規模な店舗運営やフリーランスとしての活動が多く見られます。
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そして私は家族従業員。
2024年現在、青色専従者として主に経営管理を担当しています。
夫が事業を始めてから現在まで、家庭と事業2つの財布を切り盛りしています。
青色専従者とは、
青色申告をしている個人事業主に雇われている家族従業員のことです。
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***
2022年秋 夫の宣言
さかのぼること2年前の2022年秋、夫に言われました。
「インボイス制度が始まるから、課税事業者になろうと思う」
2022年秋時点、夫は免税事業者で、消費税の納税を免除されていました。
免税事業者とは?と、疑問に思われる方はこちらをご覧ください。
自ら「課税」を選び、課税事業者になるということはどういうことなのでしょうか。
課税事業者とインボイス制度
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課税事業者とは、売上に対する消費税を納めなければならない事業者のことです。具体的には、次のようなケースで課税事業者になります。
1. 基本の売上ルール
過去2年間の売上が1,000万円を超えている事業者は、課税事業者とされ、消費税の納税が必要です。
2. 自ら「課税」を選ぶケース
売上が1,000万円以下でも、「消費税を払うことにする」と自ら決めて、課税事業者になることもできます。
これを選ぶと、例えば仕入にかかる消費税を差し引けるメリットがありますが、その分、納税義務も発生します。
我が家は、2. 自ら「課税」を選ぶケースです。
課税事業者になると、お客さんから受け取った消費税を税務署に納める必要があります。
一方で、免税事業者は受け取った消費税を納めなくてよいとされています。
つまり、自ら「課税」を選ぶことで、出ていくお金がこれまでより増える選択をするということなのです。
また、課税事業者になると消費税の計算や申告が必要になり、経理が少し複雑になります。経理業務に時間をかけて消費税を納め、売上は前年とさほど変わらないのでは課税事業者になるメリットがあるように思えませんよね。
ではなぜ、大変な思いをする課税事業者に自らなるのでしょうか?
それは、インボイス制度が導入されたのが大きな理由です。
インボイス制度とは、2023年10月に日本で導入された新しい消費税のルールで、正式には「適格請求書等保存方式」と呼ばれます。
インボイス制度は、消費税の不正を防ぎ、税の透明性を高めることを目指しています。
夫は、会社と取引をすることが多く、その会社は課税事業者として消費税を納税しています。
会社側からすると、免税事業者(消費税の納税義務がない事業者)からの仕入は、消費税の控除ができなくなるのです。
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私がインボイス制度を知ったのは、簿記3級取得に向けて勉強していた2022年の春でした。
その時期に私が初めて「インボイス制度」というワードを耳にした、ふくしままさゆきさんの解説です↓ 分かりやすいのでぜひ見てみてください。
簿記3級を取得しようと思った理由は、自己スキル向上のため。
この時得た知識が、現在の経理処理に非常に役立っています。
インボイス制度が始まったことにより、
それまで消費税を免除してもらっていた免税事業者も、ビジネス上の理由により自ら「消費税を納めます!」と名乗りをあげ、
手間がかかり、支払う税金も増える課税事業者の選択をした方も多いのではないでしょうか。
インボイス制度に向けた準備
2022年秋、夫から「課税事業者に、俺はなる!」と宣言されてからやったこと。
それは、①法人化するか、②個人事業主のままでいくかを判断するための情報収集です。
なぜかと言うと、当時夫の売上はそこまで高くありませんでした。
免税事業者でしたので、消費税とは完全に無縁の仲です。
免税事業者とは?
同業者仲間に聞くと、法人化したり、何にも考えていなかったりと、対応は人それぞれでした。
2022年秋の時点で、当時インボイス制度を話題にしている人は少なかったと思います。
明らかに法人化するには売上が足りないけど、法人化するべきなのか?
それとも、法人化はせず、個人事業主のままでよいのか?
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ぐるぐる答えは出ないまま、子育てやパート、家事であっという間に1日が過ぎていきます。
だめだ、詳しい人に相談しよう!
幸い税理士事務所で働いている友人がいたので、得策は何かを相談することにしました。
赤裸々に夫の事業内容を打ち明けたところ、こんな答えが返ってきました。
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