見つけられなかった、原石#天職だと感じた瞬間
わたしは以前も書きましたが、いろいろな仕事に就いています。
正直、天職だと思ってない仕事は長く続けられない。なぜか色々あって、辞めざるを得ない感じになる。3年以上続けてたら、もう天職と思ってるただのお調子者かも。
1歳からイラストを描き、9歳から手芸をしています。子供の頃は、趣味を仕事にしたくて、雑誌投稿に明け暮れていましたが、残念ながら仕事にはなりませんでした。
高校卒業後、就職試験に落ちた後に入ったデパートの店員。わたしはそれまで、少し人見知りがあって、誰とでも話せるわけではありませんでした。
しかし、この仕事をして覚醒しました。
誰とでも話せ、適切に応対出来ただけでなく、仕入れ、果てはマイク持ってアナウンスまでやってました。
入社3か月目、突然社長から「本屋さんやって」と言われ、もちろん事前に何の相談もありませんでしたが、これが大当たりだった。
本も山積みのものがなくなる程売れた時代、いい時期に仕事が出来ました。
他店からリサーチが来る程までは有名になってしまった。
当時は、本気で天職だと思っていました。
仕事は楽しかったのですが、土日に休めないため数年後転職、すぐ結婚し関西に住みはじめます。
いわゆる「二人目不妊」になり、諦めて子供を預け再就職。ここも大当たり。
当時はパソコンが仕事場に普及し始めた頃、すでに操作に慣れていたわたしは重宝されました。おもに書類作成と事務対応でしたが、人間関係も良好、さらに仕事が終わった後、いろいろな方面で知り合った人たちと自主制作でプログラムやゲームを作ったり。
あまりの忙しさに、事務仕事はやめることになりました。
イラストやパソコンの仕事も、当時は天職だと思ってました。
雑誌や色々な企業の企画、コンテストで賞をいただいたり、毎日どなたかと仕事の打ち合わせ。
本当に、夢のような時間を過ごしていました。
これが長くは続きませんでした。10年後、わたしはこの世界から追われるように去り、以前からの趣味だった手芸方面での仕事に就くための修行時間に入ります。
この手芸の仕事が、本当は10代からやりたかったのですが、どうしても届きませんでした。この機会に資格も取り、技術も先生からきちんと教わり、提出した作品で賞をいただいたり、雑誌に掲載されたりしましたが、どうしても次の仕事につながりません。当時は今のようなオンラインショップなどなく、作っても売る場所がありませんし、宣伝は自分でホームページしかありません。なんども届きそうで届かなかった。実際に、今のように仕事として作品を制作販売するようになるまで、40年もかかりました。
いま、修行時代の作品を出したら、数日で売れています。雑誌ではまったく取り上げてもらえていませんが、雑誌を通さずSNSとショップだけで成り立つ時代になったようです。
手芸のジャンルは編み物、人形、刺繍などかなり多方面に手を出していますが、一番作っているのは、高校時代に友達と熱中した人形作りです。
ビジネスでもDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)が注目されていますが、オンラインショップ販売は、ほぼDRMです。SNSや検索で来て下さったお客様と直接お話をする。企業の商品のように、大量生産は出来ませんので、お金をかけてマスマーケティングする必要はない。本当に欲しい方だけに直接あたった方がいい。
ということで、あれこれ彷徨いもがきながら、ようやく夢を叶え、ビジネス的なスタイルを作りつつある所です。
ハンドメイド作品を売るというスタイルなので、流行?ゆるふわ?思いつきでしてるんでしょ、とか市場とのミスマッチを指摘する方もいらっしゃいますが。
今まで40年も色々な方法で、仕事になるように創意工夫をして、雑誌社やお店に売り込みに行ったり、市場調査やイベント参加もして、ビジネススクールにまで通っての今なのです。
途中、病気で苦しみながらも、ようやくここまで来ました。もうそろそろ、最後の天職を見つけなくてはいけない。なら、どうしてもやりたかった人形作りをさせてほしい。
こんなにスムーズに進んでるのなら、今しかない。
いまは、人形作りが天職だと思ってる。
妹も言ってた。小さい頃の夢を叶えたんだね、って。
ps.扉の子は10年以上前に作った子。非売品(あともう一体いるので、必ず探し出します)荷物をひっくり返されて失くしてしまいましたが、やっと出てきました。この頃の作品がとてもいいのですが、当時は全く声がかかりませんでした。
誰も見てくれないと絶望感の中制作してましたが、当時の作品は今年に入って、ほとんど売れてしまいました。
結局、誰も助けてくれなかったけど、ひとりで這い上がって、ここまできた。なのに、ひっくり返した本人は「あの頃からいい作品作ってたよね」なんて、当時と180度違うこと言ってる。
作ったのも、責められたのも、理解されなかったのも、販路を開いたのも、みんな、わたしだよ。
この果てしない努力をなぜ、認めてくれないんだろうね。