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【遺跡探訪94】 スラスランの朝日でメンタル救われた話 (Srah Srang, 10世紀)
正直言って、この時遺跡に行く余裕はありませんでした。次の日に膨大なファイル数の翻訳の締め切りが迫っていて、さらに 2日後には英語でとあるプレゼンテーションを行う初日でもありました。そして夫はプノンペンと日本滞在で2週間くらいおらず、かなり切羽詰まった状況で心を落ち着けなくてはと思いました。
遺跡に行く準備はしていなかったのですが、 5:30頃に起きた時にこれはスラスランで朝日を見なくてはと思いました。あの静寂が救ってくれるのではと直感で思ったのです。
Welcome to Angkor
街から北上して、この看板を見ると、アンコールの森に入ったのだなと実感します。
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コロナ禍で(公共事業をたくさん行ったことで)自転車道が整備されてから、特に地元シェムリアップの人々の間で自転車ブームが起き、質の良いマウンテンバイクで早朝の遺跡コースを走る人が増えています。
初めてカンボジアに来たときは、自転車はバイクが買えない貧乏な人が乗る乗り物というイメージがあったようでした。しかし、自転車にお金をかけ、専用のウェアを着てヘルメットをして颯爽と駆け抜けていく地元の人を見ると、ずいぶん意識がこの数年で変わったのだなあと思います。
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スラ・スランの朝日
やはり最高でした。今日は雲が多かったですが、地平線近くは雲が少なく、綺麗な朝日が見えました。
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2人地元の女性がいたので、ちょっと話をすると、写真を撮ってあげるよというので撮ってもらいました。普通に立ってスナップ撮ってもらったら、「もっとポーズ撮って!手を上げたり足を上げたり!」と指示がありました笑
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後で見ると20枚くらい撮ってくれていました。普段自分の写真は撮らないので、意外と嬉しいです。
驚いたのは、水量です。こんなに水が多いのは初めてです。テラスの階段が水に浸かっていて見えません。
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テラスから逆向きに眺めると、ちょうどナーガに朝日が当たって荘厳な雰囲気でした。
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スラ・スラン一周
このまま帰ろうかと思いましたが、どうせ家でプレゼンテーションの練習するならここでやろうと思い、ぶつぶつ言いながら一周しました。
南西の角。整備されているのはここまでです。これより先は観光客のあまりいないエリアです。
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南面からのテラス。朝日を浴びて美しい!
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牛もいました。写真背後にも4頭くらいいます。
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牛の落とし物がたくさんあるので、気をつけながら進みます。
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ずっと浮きだと思っていた、バライ中心にあったのは祠堂でした。ハノイのホアンキエム湖を思い出します。
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この、スラスラン南面にはお寺のような場所や民家、食堂があったりします。
このエリアはアプサラゾーン(世界遺産)に入っているので、厳密には人が住んではいけないのですが、スラスラン周辺は世界遺産指定以前からの住民が多く、黙認のようです。北側には集落と市場があります。
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遺跡いぬも健在です。
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南東角。この辺りが一番崩れています。が、水面で対象に映っているこの景色は風情があります。
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スラ・スランを訪れると、いつも新婚旅行で訪れたバラナシのガンジス川を思い出します。ガンジス川のガート(川沿いの階段)がやはり原型なのかもしれません。
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あの生も死も一緒くたになった聖なる川が、この遠い地で憧憬を伴って再現されたのかなとも感じます。
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スラスラン・フンセン小学校
北東の角です。奥に見えるのは、スラ・スラン・フンセン小学校です。
さすがの前首相の名前が入った小学校、平屋とはいえかなり立派な小学校です。建物もクメール様式になっています。やはり、大回りコースでは必ず通る観光地だからでしょうか。
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まだ門が閉まっていました。
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小学校の隣の食堂・雑貨屋さんです。
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この、スラスラン北面は車道と歩道が並行します。
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歩道は車道より下がっているため、バスが来る時などは小石が飛んで当らないかとちょっと緊張します。とは言っても水面近くは整備されていないため、ここを通るしかありません。
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長らく休業していたスラスラン北側のレストランも、最近は営業しているようです。
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テラスの近くまで戻ってきました。
この写真の右側が市場になっています。簡易的なカフェも数軒あります。
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テラスまで戻りました。今日は涼しかった!雨あがりの早朝散歩はいいです。
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Nikeランアプリの記録
Nike Run Club (NRC)というアプリを使うと、GPSで自分の通った道を記録してくれます。これを遺跡探訪で使うと興味深い地図が表示されるのです。
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さて、アンコールトム勝利の門から帰ります。
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時計を見ると、7:20でした。アンコールトム南大門を南下するのもセーフ。ここが南下できない時間帯(7:30-11:30)は、かなり遠回りをしないと街に戻れません。
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アンコールトム南大門は今日も美しいです。
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さて、スラ・スランを訪れたのは実はこの記事を書いた一週間前でしたが、その後どちらの仕事でも良い評価をいただきました🙏ありがたいことです。本当にこの時は切羽詰まっていて、アンコールの森とスラスランの空気に救われたと感じています。