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昨日車にぶつかった話

昨日帰宅途中、家の最寄り駅のスーパーでお米やら牛乳やらを買って荷物をえっさらほっさらもって、横断歩道を渡ろうとしていた。
渡った先にある駐輪場に行って、自転車で息子の保育園に迎えに行かねば。

その横断歩道は、歩行者用の信号はなく、車は一時停止して歩行者を優先的にわたらせなければならない。
まあそれはルールの話なので、なかなか止まってくれない車を見送りつつ、渡れるタイミングを待っていた。
そこは駅前の横断歩道なので、私のほかにも渡りたい人が数人いた。

左から車が絶えることなく来ており、ずーっと左側の車、止まれ!と見守っていた。
そして、ついに左からくる車がゆっくり止まってくれた。
私は会釈をしながら渡ろうとした。
さ、歩行者のみんな渡ろう!そんな気持ちで一歩前にすすんだのだ。

「バンッ!」

なんかすごい音がして、私の目の前を車が通り過ぎて行ったのだ。
手が車に当たった音だった。
なんと私は右側からの車、ノーマークだったのだ。

手の甲を見た。少し赤くなっている。
いや、黒くなっている。

瞬時に判断した。
サイドミラーが当たって、しかもサイドミラーのぶつかった部分がよごれてその黒いすすみたいな汚れが手に付いたのだ。

ドッドッドッドッド!(心臓の音)

怖かった。
手は感覚的に痛くない。
触ってみた。痛くない。
骨は痛くなさそう。きっと大丈夫。

前方に車は止まった。
道が狭いのでそこで止まると渋滞する。
そしてみんな私を見ている。
取りあえずこの場を何とかしなければ、私きっと無事、たぶん大丈夫、手平気。
と思い込みながら車に駆け寄った。

降りてきた運転手と話した。
「ぶつかったけど、大丈夫です。行ってください!」
「ほ、ほんと、大丈夫?へいき?」
「大丈夫です、行ってください、ごめんなさい!」
「じゃ、じゃぁ、行くよ?」

ぶつかってからたぶん1分もたってないと思う。
私も何事もなかったように横断歩道を渡ってその場を去った。
自転車に乗りながら、一時停止しなかったの向こうだから私が謝る必要なかった!免許証控えさせてもらえばよかった!と思い直した。

痛くないよね?
手折れてたりしないよね?
どんどん赤くなってきたらどうしよう・・・。
まっすぐに保育園に向かうつもりだったが、一度家に帰って冷やすことにした。
皮膚が擦れただけで、筋や血管や骨には異常がないようだ。
でもすごいスピードで擦れたので、やけどみたいになっている。
石鹸を付けて洗ったら超しみた。
そして黒いすすは取れなかった。

もうその黒いのを見たくなくて、息子を保育園に迎えに行って一緒にドラックストアにキズパワーパッドを買いに行った。

「お母さんね、めっちゃこわかったの」
息子「どうしたの?」
「お母さんいつもおはぎくんに 右見て左見てしてって言ってたけど、お母さんが右見るの忘れて、車にぶつかっちゃったの」
息子「忘れちゃったの?」
「うん、忘れてたの・・・」
息子「ちゃんと右見て左見てしないとだめだよー」
「そだよねーお母さん忘れん坊!
もしどーんってぶつかってたら、お母さん保育園迎えに来れなかったし、もしかしたら死んでたかも。おはぎくんに会えて本当に良かった、ぎゅーさせてー」

息子の匂いをかいで心を落ち着かせた。
キズパワーパッドを張ったら、さらにだいぶ落ち着いた。

あと1ミリ前に出てたら手が折れていたかもしれない。
10センチ前のめりに出てたら体がぶつかってはねられてた。
本当に薄皮一枚擦っただけでよかった。

この年末の時期に油断というか甘えというか、なんかふわふわしていた気分だった。
心を改めて生きていこう。
死んだらシャレにならん。
息子が一人ぼっちになってしまう。

キズパワーパッドの白く膨れたところを見ながら、本当に死ななくて良かった、とひたすら思う。

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