バズよりも”ストックの信頼”で「何者か」になる
えいと:なんぼーさん、最近Twitter毎日バズってません?
なんぼー:Twitterのアルゴリズムが変わったからかな? 僕としては特に昔からやってることは変わらないけど、確かに最近、いいねとかエンゲージメントの数値は良いんだよね。
えいと:毎日マーケティングとかクリエイティブのニュースを投稿してるんですよね!
なんぼー:そうそう。時間は色々だけど、毎日3~10個くらい、面白いニュースを投稿するようにしてて。トレンドとかコンテンツとか、幅広いジャンルで面白かったニュース紹介しつつ、自分の考えを書いて投稿する感じだね。。
えいと:それってバズ狙いですか?
なんぼー:いや、ぜーんぜん。むしろバズらないことを意識してるくらいだよ。バズればバズるほど、自分の賞味期限が短くなるように思うんだよね。バズるって、ものすごく広がるってことで、つまりは全然自分の興味から遠い人にも知られていくってことだから。
えいと:ええ!色んな人に知られるのって、得じゃないですか? 今の時代みんな、名前が知られている「何者か」になりたいですよ。フォロワーだってできるだけ多いほうが良いし。
なんぼー:フォロワーも1万人くらいで十分だと思ってる。僕がいるマーケティング領域なら3万人ぐらいが上限なんじゃないかな。それ以上になると、届かなくていい人にも届いちゃうからね。
えいと:届かなくていい人に届くと、何か悪いことでもあるんですか?
なんぼー:届かなくていい人って、自分とは立場や環境が大きく違うような人たちのことだから、届かなくていい人に届くと、その人はその情報に少しずつフラストレーションを溜めていくんだよね。反論したくなったり、「何言ってんだ」って怒りたくなったりする。そういう人が無闇に増えていくと、どんどん消費されて、そのうち飽きられちゃう。炎上もだいたいそういう時に起きるよね。
えいと:なるほど。確かになんぼーさんって、「知られてるべき人に知られている」気がします。最近インターンでスタートアップに出入りすることがあるんですけど、スタートアップのマーケティングの人たち、みんななんぼーさんのこと知ってますもん。
なんぼー:ほんとかね?そうだとありがたいけどね。
えいと:そういうふうに、消費されずに必要な人に知られるにはどうしたらいいんだろう。
なんぼー:僕が意識しているのは、バズで得られるようなフローの信頼よりも、ストックの信頼を大事にすることかな。
えいと:ストックの信頼、フローの信頼……?
なんぼー:人はコミュニケーションするたびに信頼残高を積み上げていくと思っているんだけど、その中でも、ストックの信頼とフローの信頼があると思っているんだよね。たとえば、100信頼残高が積み上がっていても、そのうち60は吹けば飛ぶような、簡単な信頼だったりする。一方で、残りの40はちょっとしたことでは消えない “ストックの信頼”になっている。
えいと:うーん、例えばストックの信頼ってどういうものですか?
なんぼー:例えばアスリートでいうと、すでに全盛期が過ぎたようなベテランの選手も、報酬が高かったりするじゃない。それは、これまで積み重ねてきた経験と実績があって、それが年俸にも反映されているからだよね。それがストックの信頼。
えいと:なるほど。実態のある信頼というか、根拠のある信頼って感じですね!
なんぼー:そうそう。Twitterでバズってフォローされても、その信頼って実際の仕事ぶりや実績を知ってくれている人からの信頼に比べると簡単に壊れちゃうものだよね。それはフローの信頼なんだよ。
えいと:確かに。
なんぼー:あとは、「今、旬な人!」っていうのもフローの信頼だね。
えいと:なるほど。一発や芸人はローの信頼でしたね!
なんぼー:そうだね(笑)みんな確かタピオカは美味しいと思っているけど、流行が終わると必要とされなくなってしまう。逆にそれでいうと、ずっと美味しいと思われてきたし、特定の人に必要とされてきた立ち食いそばのほうがストックの信頼を持っているかも。
えいと:ストックの信頼が欲しい……。
なんぼー:ストックの信頼がたまった人、ってのがえいとくんが言う「何者か」だったりするのかもしれないよね。えいと:間違いないですね。でも、ストックの信頼ってどうやって貯めていくんだろう。
なんぼー:それはもう、目の前の仕事を一生懸命やっていくことじゃないかな。
えいと:なるほど!!!なんていうか王道?愚直?ですね。
なんぼー:そうだね。僕の場合は、ストックの信頼しか興味ない。だから、Twitterでバズることよりも、周りの人たちに向けて良いインプットを出すことだけに注力しているんだよね。
えいと:目の前のことをコツコツと!ということですね。
なんぼー:そう。それでとにかくファクトを積み上げる。僕で言うと、電通で○○をした、メルカリで△△をした……自分が営む会社で□□な仕事をした……というふうに、過去に所属している企業や、いまの活動できちんと目の前の仕事に取り組んでいたことが、やっぱり今のストックの信頼をつくっていると思うよ。つまらない話かもしれないけど、そこに近道はないとは思うんだよね。
えいと:なるほど。SNSで有名になることとか、突飛なことばかり考えてましたけど、まずは目の前にある仕事に一生懸命取り組むことが大切ですね。
なんぼー:しっかり実績を出すのはマストだけど、実績の追加要素とするなら、行動もファクトになるから、そういう意味でSNSをすることも価値があるとは思うよ。
えいと:どういうことですか?
なんぼー:例えば、僕の場合だと毎日マーケティングに関するニュースをTwitterで投稿しているのは、実際にやり続けている行動というファクトだよね。ある程度実際に仕事の実績が見える人が、日々マーケティングに関連するニュースも発信していると、その行動も信頼の源泉になる。
行動だけだと「努力賞」みたいになるから、あくまで実績があった上でだけど、実績とセットで使うなら、より一層持っている実績を知ってもらう入り口として使えるんじゃないかな。
えいと:なるほど。SNSを使うにしろ、とにかく “資産(ストック)” になる信頼がベースにあって、それがあればフローも活用できるってことですね。僕もTwitterでニュース投稿やってみようかな〜
なんぼー:いいね。ほとんどの人が毎日続けることができないから、毎日続けるだけで、大抵の人よりは抜きん出ることができるし、信頼されるファクトになるはずだよ。
えいと:確かに!やっぱりSNSよりまずは目の前の仕事だ!まずはインターンしてる会社で役に立てるように頑張ってみるところからスタートします!
なんぼー:応援してるよ!